2019 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な社会実現への挑戦:アラスカにおける金鉱開発と生存漁労の共生に関する研究
Project/Area Number |
19H01392
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
生田 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (90783829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 亮 大分大学, 経済学部, 准教授 (80466515)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 持続可能な社会 / 資源開発 / 北極圏 / 生存漁労 / 先住民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は共同研究会の開催、資料収集、現地調査を実施し、研究体制の確立および資料収集を行なった。共同研究会は2019年6月、11月、1月に九州大学で実施し、本年度各自が実施する、研究活動の確認、現地調査の日程調整、共同で実施する資料収集および国内外の研究者との面談の日程調整、進捗状況の確認などを行なった。 生田は、8月から9月にかけての6週間、アラスカ州で米国連邦政府機関である魚類野生生物局、狩猟漁労課や天然資源課といったアラスカ州政府機関、金鉱があるクスコクイン川流域の先住民の村などを訪問し、先住民社会においての調査と金鉱開発と生存漁労に関する情報の収集を行うと共に、ステークホルダーとの面会、基礎的データの検分を実施した。現地調査を行なった。また、大阪・国立民族博物館の共同研究会への参加や、大阪・東京に出張などで、国内外の研究者と意見交換を積極的に行った。中間報告となる論文執筆準備も進め、2021年6月、東京都市大学古川柳蔵教授との共編著で「在来知と社会的レジリエンス」が筑波書房より刊行予定である。 久保田は、6月に国立民族学博物館を訪問し、アラスカ先住民についての資料見聞を実施した。また9月にはアラスカ州各地を訪問し、アンカレッジおよびフェアバンクスでは博物館展示における生業活動の表象形式についての資料収集、チバックにおいては、本課題の調査内容についてのプレゼンテーションを行なった。 なお2020年3月に共同で実施を予定していた、アメリカ東海岸における資料収集および研究者との意見交換は、新型コロナウイルスの感染拡大のために次年度以降に延期せざるをえなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月に予定していた米国東部にある研究教育機関への訪問および研究者との意見交換を次年度以降に延期せざるを得なかったため。新型コロナウイルスの感染拡大が急速に広がる中、米国は出入国管理を強化したり、公的機関を閉鎖したりして、大掛かりな感染拡大抑制策を講じた。この状況下の中でも、米国東部を拠点とする研究者と密に連絡を取りつつ、訪米を実現する可能性を模索したものの、最終的に翌年度以降に訪米を延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染拡大が続く中、米国や欧州での現地調査や資料収集がいつ実施できるかについて現時点で見通すことは不可能である。そこで今後については、海外渡航を伴う調査研究の可能性を模索しつつ、既存の資料などを利用して論文執筆や研究発表の準備を進めていく。また国外の研究者とのインターネットを介した情報交換・意見交換を最大限に活用することで、訪問予定地域の情報をいち早く入手し、研究資料のアップデートに努める。
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Research Products
(4 results)