2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Civil Code and Civil Procedural Law of Islamic Law and the Middle Eastern Law
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19H01404
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大河原 知樹 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (60374980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 徹 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (00199952)
堀井 聡江 桜美林大学, 人文学系, 准教授 (20376833)
磯貝 健一 京都大学, 文学研究科, 教授 (40351259)
伊藤 知義 中央大学, 法務研究科, 教授 (00151522)
桑原 尚子 早稲田大学, 法学学術院, その他(招聘研究員) (10611361)
磯貝 真澄 京都外国語大学, 外国語学部, 非常勤講師 (90582502)
竹村 和朗 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (60782654)
宮下 修一 中央大学, 法務研究科, 教授 (80377712)
阿部 尚史 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (20589626)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イスラーム法 / 民法 / 比較法 / 中東法 / オスマン帝国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、オスマン民法典(メジェッレ:以下М法典)に関する研究会を6回(4月~1月)実施した。これらの研究会の初期においては、オスマン帝国における民事訴訟法にあたる第9編(禁治産、強迫および先買権)の最後の先買権の条文について検討した。先買権はシャリーア(イスラーム法)特有の相隣関係を規定する法規定であり、重要な部分である。ここでは、適宜エジプト民法も参照しつつ、古典学説と19世紀における先買権の共通点と相違点を確認した。 次いで、第16編(司法)の訳文を検討し、年度内に全文を訳了した。なお、この編は、主としてシャリーアに準拠した裁判官の職務、判決、仲裁を扱っている。実際には条文公布後しばらくして新たな民事訴訟法が制定・公布されたため、その影響は限定的と言われているが、十分に研究がなされているとは言えず、その検討は重要である。実際に条文を検討した結果、この編は、古典学説の影響を受けているものの、内容としては当時の訴訟手続、判決や仲裁をかなり詳細に規定していることが明らかとなった。将来的には実際の司法手続との比較検討を実施することが望まれる。 年度の最後2回の研究会においては、これまで研究してきた第5編(質)および第6編(預託物)の訳文を見直し、最終的に冊子『オスマン民法典(メジェッレ)の研究:質編・預託物編』として刊行した。調査活動としては、代表者の大河原が8月にマルタとトルコで調査を実施し、イスラーム司法および中東司法関連の資料を収集した。収集した資料の中ではМ法典に関わる委員会の議事録台帳を1冊発見し、一部を複写した。この台帳は管見の限り、今まで研究で用いられたことがない貴重なものであり、今後の研究が待たれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の大きなテーマは、中東の民事訴訟法の研究であるが、初年度において、比較の基礎となるМ法典の第16編(司法)を訳了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究結果を受けて、今後は裁判における具体的な訴訟に関わる条文の検討と分析を進める。、
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Research Products
(33 results)