2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01411
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 裕章 九州大学, 法学研究院, 教授 (20210015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 大樹 京都大学, 法学研究科, 教授 (90404029)
渡辺 徹也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (10273393)
深澤 龍一郎 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (50362546)
石森 久広 西南学院大学, 法務研究科, 教授 (30212939)
勢一 智子 西南学院大学, 法学部, 教授 (00309866)
小島 立 九州大学, 法学研究院, 准教授 (00323626)
平山 賢太郎 九州大学, 法学研究院, 准教授 (20376396)
山下 昇 九州大学, 法学研究院, 教授 (60352118)
村西 良太 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (10452806)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 行政争訟 / 行政訴訟 / 不服申立て / 個別行政法 / 比較法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、個別行政法に関する最新の知見をふまえて、新たな行政争訟制度を構想するとともに、制度改革のための具体的提言を行おうとするものである。4つのクラスター(集合的利益、訴訟類型の多様化、民事訴訟との役割分担、不服申立制度との関係)に分かれて研究を進め、その成果を個人の研究に反映させるとともに、全体研究にフィードバックすることにより、上記の目的を達成することを目指している。 初年度となる本年度においては、各クラスターの研究が順調に進み、「研究発表」欄掲載のような数多くの重要な実績を上げることができた。 特に、クラスター4(不服申立制度との関係)については、2018年度、九州大学において、公開シンポジウム「個別行政法からみた行政争訟制度のあり方」を開催し、その成果を自治研究95巻2号及び3号における「特集」として公表したところであるが、これをふまえて、具体的な制度改革の方向性を詰めることができた。 また、この間、クラスター2(訴訟類型の多様化)について、個別研究及び共同研究が特に著しく進展している。そこで、この問題をテーマとして、2021年度に、九州大学において、公開シンポジウムを開催することを計画している。この計画を実現するため、各研究分担者がこのテーマについて個別研究を進め、全体ですりあわせを行うとともに、各分野の専門家の助言を仰ぐなど、着実に準備を進めているところである。 その他のクラスターに関しても、個別研究及び共同研究を進め、その成果の一部を公表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、科学研究費基盤研究(B)「現代行政の多様な展開と行政訴訟制度改革」(平成25年度~平成27年度、以下「先行研究1」という)、同「個別行政法の視座から構想した行政争訟制度改革」(平成28年度~平成31年度、以下「先行研究2」という)をさらに発展させたものである。 初年度である本年度においては、6月30日に研究打合せを実施し、新たに加わったメンバーも含めて、研究分担者にあらためて研究の趣旨を周知徹底し、今後の綿密な研究計画を立てた。 また、4月20日には第1回研究会を開催し、研究分担者の平山賢太郎九州大学准教授が、「公正取引委員会排除措置命令・消費者庁措置命令に対する執行停止申立」について報告した。続いて、7月13日には第2回研究会を開催し、研究分担者の原田大樹京都大学教授が「行政法学と警察法学」について報告した。さらに、3月5日には第3回研究会を開催し、藤谷武史東京大学教授が「マイナス金利政策の争訟可能性」について報告した。 本研究は、先行研究1及び先行研究2の成果を引き継ぐものであり、メンバーもほぼ同じであることから、研究は当初の計画以上に順調に進んでおり、すでに「研究発表」欄に記載したような数多くの重要な業績を上げることができた。 なお、本研究に関しては、すでにホームページを立ち上げ、研究計画、研究組織、研究会、研究成果等を広く公開している(http://pacoq.net/horizont/index.html)。
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Strategy for Future Research Activity |
以上のような順調な滑り出しを受けて、今後は、各クラスターに関する個別研究と共同研究をさらに進展させ、本研究の目的である行政争訟制度改革の構想と具体的提言を完成させることをめざす。 先行研究1においてクラスター1(集合的利益)について、先行研究2においてクラスター4(不服申立制度との関係)について、それぞれ大きな成果が得られたことから、これらの分野に関しては、これまでの研究をふまえて提言の具体化を進める。 また、この間、クラスター2(訴訟類型の多様化)について研究が特に著しく進展したことから、2021年度において、この問題をテーマとした公開シンポジウムを、九州大学で開催することを計画している。そこで、個別報告のテーマと報告者を選定するとともに、その準備のために、各分野の専門家を招聘して研究会を開催するなどし、万全の体制でシンポジウムを開催したいと考えている。その成果は雑誌等で公表する予定であり、現在その媒体について交渉中である。 残るクラスター3(民事訴訟との役割分担)についても、個別研究と共同研究を進め、その成果を、九州行政判例研究会、九州公法判例研究会等において報告するとともに、随時論文等として公表する予定である。
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Research Products
(84 results)