2019 Fiscal Year Annual Research Report
Legacy Effects of the 2020 Tokyo Olympics on Civic Engagement
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19H01452
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
篠原 舟吾 国際大学, 国際関係学研究科, 講師(移行) (00822751)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オリンピック / 市民社会 / 実験 / 行政 |
Outline of Annual Research Achievements |
オリンピックは、国際オリンピック委員会が掲げるように「開催都市のコミュニティを大きく変化させ、持続的な利益をもたらすパワーがある」のか。本研究の目的は、この「オリンピック・レガシー」と呼ばれるプラス効果が東京オリンピック(Tokyo 2020)で発揮できるか計量分析することであり、2019年度はオリンピック実施前の第1回調査を準備し、東京、名古屋、大阪在住のそれぞれ1000人(合計:3000人)の市民に対し実施した。 具体的には、2018年度に交付された科学研究費スタートアップ支援を用い実施した東京都民へのインタビューから、東京におけるボランティア及びコミュニティ活動の実態を定性的に分析し、主要な活動を特定した。次に、既存の理論・調査をもとに、主要なコミュニティ活動の頻度やこれに関連する市民の態度に係る定量的指標を作成した。さらに、調査参加者から注意深い回答を引き出しうる調査票を作成するため、契約先の調査会社とともに文言やデザインを検討し、行政研究者、実務家及び市民の方から意見・感想を募った。意見を反映させた質問票を最終版とし、2020度オリンピック終了時期である9月中旬に、東京、名古屋、大阪在住者に対しオンラインで配布した。最終的に、3000人から回答を得ることができた。 第1回調査の準備・実施は順調であったが、COVID-19感染拡大により、Tokyo 2020の開催は2021年度に延長されることとなった。幸い本研究は4年間に亘る長期プロジェクトであり、第3回調査において、限定的であるにしろオリンピックの効果を計測することができる。研究成果を残すため、今後は状況を注意深く観察しながら、必要であれば調査計画を柔軟に変更することが求められる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年に実施予定であった東京オリンピックがCOVID-19感染拡大に伴い来年度に延期となり、当初予定していた現地調査などは今年度実施できなくなった。一方で、4年間継続的に実施するオンライン調査には支障がなく、順調に進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は今年度に実施予定であった東京オリンピックの効果を計測することを前提に、実施計画及び補助金の支出計画を作成してきた。4年間の長期プロジェクトであるため、来年度調査において、限定的であるにしろ効果を計測することができる。本年における主な研究活動は、昨年に引き続きパネル調査を実施することにある。 一方で、オリンピックが延期されたため、本年度実施予定であったオリンピック・ボランティアへのインタビュー調査を本年度実施することはできない。COVID-19の被害状況含めオリンピックの開催計画の変更などを注視しながら、繰り越しも含めて必要な実施計画の変更ができるよう、柔軟に研究活動を実施する予定である。
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