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2019 Fiscal Year Annual Research Report

Accountability Reform over the Changing Allocation policies in Authoritarian Regimes: Comparative Study in the Middle East

Research Project

Project/Area Number 19H01454
Research InstitutionInstitute of Developing Economies, Japan External Trade Organization

Principal Investigator

石黒 大岳  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (30611636)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井上 あえか  就実大学, 人文科学部, 教授 (30388988)
岩坂 将充  北海学園大学, 法学部, 准教授 (80725341)
立花 優  北海道大学, 文学研究院, 共同研究員 (20733330)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords比較政治学 / アカウンタビリティ / 政治の司法化 / 民主化 / 権威主義体制
Outline of Annual Research Achievements

3年計画の1年目となる本年度は、収集した資料や現地調査に基づく事例分析を中心に実施し、次年度に予定する国際学会でのパネル報告に向けて、議論の枠組みの検討と各報告ペーパーの執筆に向けた準備作業を進めた。
事例分析では憲法改正や統治制度の変更前後の政治過程を追いつつ、政治の司法化の顕在化とその帰結(執政府の抑制/権限強化)や汚職対策委員会など独立国家機関の活動状態の変化、国内政治勢力の競争状態の変化について、時系列の因果性に焦点をあて、各国事例の分析を行った。
憲法改正を伴う事例として、トルコの事例では、非常事態宣言下に発布された、法律と同等の効力を持つ政令の違憲審査判決文と司法人事を司る委員会人事の分析から、権力集中を進める大統領と議会(与党)による司法府支配の進行が示された。エジプトの事例では、ムバーラク政権とシーシー政権の制度改革の比較から、国内の政治的競争環境と外部アクター(軍)の関与、国際アクターの関与という変数が体制の生き残りのために意思決定者の計算へ与える影響について検討された。汚職対策の独立機関に関する事例として、クウェートの事例では、汚職対策委員会設置法の議会審議が憲法裁判所による違憲審査へと展開する過程の分析から、権威主義体制下でアカウンタビリティが作用するための政治勢力間の競合の閾値について検討された。
全体の議論の枠組みと各事例の位置づけについては、議論の拡散を避けるために分配政策(Allocation Policies)の範疇について更に整理しておくこと、分析の中心が水平的アカウンタビリティの中でも司法府の役割をより重視していることについての説明の再検討が課題となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度における研究体制の構築という点では、国内外の研究協力者も含め、研究計画立案時の見込みと同程度に本研究課題を遂行するための体制を整えることができた。各研究者の適切な準備とともに、既存の研究ネットワークを有効に活用できたことが大きい。
現地調査と資料収集については、分析対象国の情勢の変化、強権化という条件下である程度の難しさは織り込んでおり、実際に調査困難な国もあったが、デジタル化されたアーカイブ資料の活用など十分ではないが代替的な方法での対応をとることができた。しかしながら、年度末にかけて、COVID-19による渡航制限・外出制限の影響で一部の現地調査や研究会を実施することができなかったため、次年度での影響の拡大が懸念される。

Strategy for Future Research Activity

本年度における事例分析に基づき、次年度は国際学会でのパネル報告の機会を活かし、事例比較による分析枠組みの検討を中心に進める。
具体的には、①本年度の現地調査に基づいた事例分析で得られた知見をもとに、研究計画時に措定された調査上の共通検討事項の妥当性を検証し、②国際機関やNGOによる国家機関への信頼度やアカウンタビリティに関する社会調査データの合成指標と照らし合わせて、体制変動の方向性に応じた各国事例の位置づけを整理する。以上の作業を通じて、権威主義体制下において名目的に導入された民主主義的制度が実際に作動するメカニズム(作動するための条件と閾値)の解明を目指す。

  • Research Products

    (6 results)

All 2019

All Presentation (4 results) Book (2 results)

  • [Presentation] 湾岸アラブ君主国における権力継承の制度化2019

    • Author(s)
      石黒大岳
    • Organizer
      日本比較政治学会
  • [Presentation] グローバルな危機の最前線 パキスタンの苦悩2019

    • Author(s)
      井上あえか
    • Organizer
      新学術領域グローバル関係学全体会議
  • [Presentation] アゼルバイジャンにおける世襲による権力継承2019

    • Author(s)
      立花優
    • Organizer
      日本比較政治学会
  • [Presentation] 議院内閣制への移行による権威主義体制維持の失敗 :ポストソ連期アルメニアの事例2019

    • Author(s)
      立花優
    • Organizer
      ロシア・東欧学会
  • [Book] アジア経済動向年報20192019

    • Author(s)
      アジア経済研究所、(井上あえか他分担執筆者全34名)
    • Total Pages
      614 (執筆箇所: 565-590)
    • Publisher
      アジア経済研究所
    • ISBN
      9784258010196
  • [Book] 大統領制化の比較政治学(岩崎正洋編著、第10章「議院内閣制の『大統領制化』から『大統領制化』された大統領制へ―トルコにおけるリーダーシップと改憲国民投票」)2019

    • Author(s)
      岩坂将充
    • Total Pages
      271
    • Publisher
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623082148

URL: 

Published: 2021-01-27  

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