2020 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental Approach for Income Disparity
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19H01470
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 和巳 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (20308133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上條 良夫 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (40453972)
大薗 博記 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (50709467)
後藤 晶 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任講師 (80707886)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 所得格差 / 投資ゲーム / オンライン実験 / ラボ実験 / 実験経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は一昨年度の計画1,昨年度計画2の結果を踏まえて、計画2の本実験を行うとともに,研究計画3の実施を目指した. 研究計画3では,世代間過程に着目する.格差の拡大や固定を議論する上で,前世代から引き継いだ格差に対して現世代がどのように振る舞うのか,という点は今日の格差を考える上で,特に重要になると考える.研究計画2では,同一世代内での横のつながりによる格差の拡大・縮小を論じたが,研究計画3では,世代をまたいだ縦のつながりに着目する.具体的な実験としては,第1世代集団,第2世代集団,第3世代集団…と,集団を形成し,第1世代集団(「親」世代)で研究計画1や研究計画2のような手法で格差を出現させたうえで,第2世代の「子」世代(ランダムに「親子関係」は決定する)に資源が移譲される.それを繰り返す中で,格差はより拡大するのか,縮小するのかを検討するのが,研究計画3の目的である.ダイナミックな過程を扱うため予想は難しいが,「親」が築いた財を「子」がどのように認知するのか,より具体的には,「運」によるものとして認識するか,「実力」によるものと認識するのかで,格差の拡大の速度は変化するだろう. 2021年春にプレ実験を行った.その時の情報をもとに,2022年1月に200人単位の実験室実験を行い,そのデータをもとに2000人単位のオンライン実験を行う予定であったが,オミクロン株の感染爆発で実験室実験,および,オンライン実験を来年度に延ばさざるを得なくなった.その準備として,規模を縮小した実験室実験,オンライン実験を2022年1月,2月に行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナの影響下で,実験室実験の実施はなかなか思うようには進んでいないが,その代わりにオンライン実験実施のスキルが蓄積され,かつ,データ収集が予想以上に進んだ.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年春にプレ実験を行った.その時の情報をもとに,2022年1月に200人単位の実験室実験を行い,そのデータを参考に2000人単位のオンライン実験を行う予定であったが,オミクロン株の感染爆発で実験室実験,および,オンライン実験を来年度に延ばさざるを得なくなった.その準備として,規模を縮小した実験室実験,オンライン実験を2022年1月,2月に行った. このデータをもとに,今年度は,所得格差縮小の要因を探る実験(計画3)を中心に実施し,査読付き英文雑誌のへの投稿を目指す.
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Research Products
(7 results)