2020 Fiscal Year Annual Research Report
民主制下における情報伝達・利害調整・政治参加の効果の検証
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19H01489
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Research Institution | Tsuda University |
Principal Investigator |
森 悠子 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (10748198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 潤 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (30732432)
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インド / 汚職 / クオーター制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度に受給した研究費による研究実績は以下の3点に集約される。 第一に、2019年度に行った汚職に関するニュース配信アプリを用いた社会実験に関する研究についてである。社会実験は、2019年度に完了していたため、2020年度からは統計分析を行い、学会での発表を積極的に行った。このプロジェクトは、汚職に関するニュースに触れることが人々の汚職に対する社会規範に与える効果を分析した研究および汚職に関するニュースが自身の地域に関するものかどうかが汚職に与える影響を分析した研究に分けられる。前者については、主著者である後藤潤氏が、開発経済学会で第一回速水賞を受賞しており、高い評価を得ている。後者については、英文査読誌であるJapanese Economic Reviewへの公刊がなされた。 第二のプロジェクトは、インド、カルナタカ州における村レベルの議会における女性議員へのクオーター制度の効果を検証した研究である。本研究は、2019年度に1回目の調査が完了し、2020年度は2回目の調査を行った。本プロジェクトは、女性議員が村の公共財配分に与える影響を分析した研究と女性議員へのクオーター制度のもとで、どのような人が議員として選抜されているのかについて分析した論文の2つに分けられる。両研究とも、統計的な分析を行い、学会やセミナーでの発表を行っている。 第三に、フィールド調査を行い、情報格差とイデオロギーや投票行動との関係を分析する予定であったが、コロナ禍にあってフィールド調査を行うことが難しかったため断念した。代替的な方法として、CMIE社が行っているインド全国で行っている調査(パネルデータ)であるConsumer Pyramideというデータを購入し、研究を行っている。本研究は今後、分析を完了させ、学会での発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述したように2つの大きなプロジェクトで順調な進展がみられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、分析が完了した2つのプロジェクト(汚職に関する研究および村議会における女性議員の割り当て制度)については引き続き学会やセミナーでの報告を行い、英文査読誌への公刊を目指す。また、CMIE社のConsumer Pyramidを用いた研究は、引き続き統計分析を行い、学会やセミナーでの報告を行っていきたい。加えて、2022年度は、2021年度に実施できなかったインドでのフィールド調査を行う予定である。
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Research Products
(9 results)