2019 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Study on the formation, growth and cancellation of international joint ventures in Japan
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19H01525
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山口 隆英 兵庫県立大学, 国際商経学部, 教授 (90272096)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際合弁 / 国際マーケティング / 民族性 / 食品市場 / 市場の文化特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における国際合弁事業の生成・成長・解消のプロセスを史的アプローチから研究しようとしている。当初の予定では、文献研究から、海外における一次データの収集により、資料的な価値を高める形での研究を予定していた。しかし、コロナウィルスの感染拡大に伴い、海外での資料収集ができず、日本国内で文献研究を中心に研究を進めた。 研究上、ボーデン社、アディダス社を中心的な事例として、資料の収集を進めた。この過程で、国際マーケティングという視点から、日本市場の開拓について、どのように、これらの合弁事業で行われていたかが重要になってきた。そこで国際マーケティングにについての既存研究についての検討を進めた。ボーデン社の日本のアイスクリーム市場での成功と撤退を検討していくうえで、国際マーケティングに対する考え方を整理する必要が出てきた。特に、市場における民族的な要素の在り方を整理し、理解しておくことが、食品の海外市場での受容姿勢を理解することにつながり、日本という特殊な市場を理解することが可能になると判断し、国際VS民族という視点で研究を進めた。 この国際VS民族というマーケティングの視点の検討の中で、一つの研究成果をまとめた。「エスニックな商品の国際化についての考察」『商学論叢』(近畿大学)第68巻第1号2021年である。この論文の中で、食品が持つ民族性が、他国の市場に参集する場合に、どのような影響を及ぼすのかを既存研究のサーベイを通じて検討した。販売する食品の機能的価値の高低、及び、参入する国の消費者のその文化への興味の高低という2つの軸からできる4つの象限に応じて、様々な対応があることを明らかにした。現状では、食品市場に所属する国際企業が国際合弁事業を構築して、対処しなければならない要素の1つである、市場の民族性について、1つの成果を出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この研究にかかわって、現状で公表した論文は1本にとどまっている。しかも、既存研究から市場における民族性についての概念を整理した論文にとどまっている。予定では、数社のケースヒストリーを完成させる予定であったが、コロナウィルスの影響で十分な資料集の機会が得られず、停滞してしまった。 次年度以降、海外調査を含め、資料の収集を進め、ケースヒストリーを完成させる。コロナウィルスの影響で停滞した研究前に進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
資料調査を中心に進めてきたが、多くの資料を収集することができた。この資料を活かして、分析の対象となるケースヒストリーを完成させていく。 まず、ボーデン社の日本市場での市場参入とその後の撤退、その後の再参入について明らかにしていく。次に、スポーツ用品市場に参入したアディダス社についての日本市場の開拓、合弁事業会社の解消の経緯を明らかにしていく。以上、2社のケースヒストリーの完成を優先させて進めていく。
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