2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Impact of Municipal Industrial Policy on Entrepreneurial Behaviors and Performance
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19H01533
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山野井 順一 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20386543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
EDMAN Jesper 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20615976)
小沢 和彦 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30754428)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 地方公共団体 / 補助金 / 規制 / 中小企業 / 起業家的行動 / パフォーマンス / 表彰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、東京商工リサーチ社と早稲田大学商学学術院との共同研究協定により利用可能になった企業データを利用しつつ、質問票調査を行い、中小企業に対する規制・補助金・表彰が企業行動やパフォーマンスに与える影響について分析を行った。 主な成果はふたつである。第一に、新型コロナウィルスの蔓延に伴う緊急事態宣言などの規制や持続化給付金などの支援策が中小企業経営者の事業存続の意思にどのような影響を与えるかについて、定量的に分析を行った。対象となるデータは、東京商工リサーチ社が収集した2020年から2021年にかけての月ごとの企業経営者に対するアンケート調査である。暫定的な結果ではあるが、緊急事態宣言やそれに類似する県ごとの規制は廃業の意思に影響を与えないことが見出された。また、持続化給付金などの新型コロナウィルスに対応する補助金は、廃業の意思を促進させることが見出された。後者の結果については、直観に反するものであるため、より精緻なデータ分析と解釈を行う必要がある。 第二に、「地域未来牽引企業」という、経済産業省により行われている各地域の中小企業や地域経済を刺激する企業を表彰する制度があるが、その受賞企業が受賞後にイノベーションや新製品開発などの起業家行動にどのような影響があるか、また、当該地域での起業を促進するかについてdifference-in-differences分析を行った。暫定的な結果ではあるが、地域牽引企業の受賞企業は、必ずしもその後に起業家行動を積極的に行うわけではなく、むしろ特許の出願数では負の影響が見出された。また、当該地域の起業を促すわけではないことが見出された。今後、本分析の結果の解釈と再分析を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東京商工リサーチ社との共同研究協定締結の遅れにより、その後のデータ分析や質問票調査にも遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析を速やかに進め、それに伴い、質問票調査をできるだけ早い時期に実施する。
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