2019 Fiscal Year Annual Research Report
A comprehensive study of sustainability accounting to simultaneously resolve social, environmental and economic issues
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19H01549
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
西谷 公孝 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (30549746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國部 克彦 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (70225407)
遠藤 貴宏 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (20649321)
HAIDER MOHAMMAD 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (40645826)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SDGs / サステナビリティ会計 / サステナビリティ情報開示 / マテリアルフローコスト会計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①社会・環境と株主・投資家を繋ぐ情報開示内容・情報の質の分析、②社会・環境と企業を繋ぐマテリアルフローコスト会計の分析の2つの側面から、③先進国偏重であった従来までの知見を標準化するために国際比較分析を行い、それらを学術的、実務的に一体化した社会・環境と企業の持続可能性を地球全体で同時に解決するための新しいサステナビリティ会計の開発やその利用に関する政策的課題を明らかにする。当該年度におけるそれぞれの研究成果は以下のとおりである。①日本企業の9年間のパネルデータを用いて、環境パフォーマンス、サステナビリティ情報開示および株主価値の関係を実証分析した。その結果、環境パフォーマンスの高い企業ほどサステナビリティ情報開示を行っていることが明らかとなったが、サステナビリティ情報開示を行っている企業ほど株主価値が高いということは観測されなかった。しかし、それでも第三者意見を添付するとその分株主価値が高くなる一方で、第三者保証を添付すると逆にその分株主価値が低くなることが明らかとなった。この結果から、サステナビリティ情報は第三者が評価することによって株主に対する信頼性が上昇するものの、第三者保証は部分的な保証しか担保しないために期待ギャップが生じている可能性があることが示唆された。②マテリアルフローコスト会計についてWOSやSCOPUSを用いて文献調査を行った。その結果、マテリアルフローコスト会計がSDGsの課題に適用できる可能性が高いことが明らかとなった。③日本企業(東証一部上場企業)を対象に、SDGsに関する質問票調査を行った。その結果、属性ごとの企業のSDGsの取り組みの傾向が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画はそれぞれの分野で研究基盤を作ることであったが、一部においてはディスカッションペーパーや論文としてまとめることまでができているなど概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は日本企業を対象としたものは質問票調査の結果を考慮して①②③の分析を更に進めていく。また、外国企業を対象としたものでも同様の分析を予定しているが、COVID-19の影響により質問票調査などに制約が出てくるかもしれない。その場合は、海外研究協力者の協力のもとインタビュー調査を行うなど可能な限りそれを補完する予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Book] 創発型責任経営2019
Author(s)
國部克彦、西谷公孝、北田皓嗣、安藤光展
Total Pages
272
Publisher
日本経済新聞出版社
ISBN
978-4-532-32286-1