2022 Fiscal Year Annual Research Report
社会階層と高等教育からの中退の関連にかんする国際比較研究
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19H01556
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三輪 哲 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20401268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 知洋 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障基礎理論研究部, 研究員 (00826620)
菅澤 貴之 熊本大学, 大学教育統括管理運営機構, 准教授 (30551999)
苫米地 なつ帆 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (90782269)
下瀬川 陽 作新学院大学, 人間文化学部, 講師 (90846510)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 中退 / 高等教育 / 社会階層 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高等教育からの中途退学にかんして、国際比較研究をおこなうものである。日本のみならず先進国・地域では大学進学率は上昇し、いわゆるユニバーサル段階を迎えて久しい。その状況下で、増えつつある大学中退に関して、家族背景や社会経済的地位、排除などとの関連が探索されるべき課題となる。 当該年度においては、一昨年度におこなわれた、アジア・欧州・米国のサンプルを得るためのインターネットによる国際比較調査のデータセットのさらなる解析と、既存の大規模社会調査データの二次分析研究が遂行された。とりわけ、中退とキャリアとの関連性に焦点をあてて研究が進められた。 主たる知見は以下述べる三点に整理できる。第一に、高等教育中退と初職への移行の関係にかんするものである。これまでにも、中退が初職への移行を不利にするという結果は繰り返し報告されてきた。このたび新たに明らかにされたのは、学業的要因による中退に限っては、自営業出身者は非典型雇用に移行しにくいということであった。これは、補償的有利仮説と整合的といえる。ただし、それ以外は全体的に、不利の起きやすさはどの出身でも一律に起きていた。第二に、高等教育中退と離職との関係にかんするものである。1990年代以降入職男性においては、初職離職リスクの高さが中退者が得やすい職業の条件によるものであることが示された。つまり中退者が離職しやすいのは擬似効果であったというべきである。第三に、高等教育中退と中長期的なキャリアの関係にかんするものである。大学等の中退者がキャリアを通して卒業者へと追いつくことができるかどうかを検討したところ、キャッチアップ可能性が近年のコーホートにおいてより小さくなったことが明らかになった。 その他、国際比較調査データの分析により、学習支援サービスの利用が中退の抑制につながる傾向が、日米共通でみられることも明らかにされた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)