2019 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害のある人の性をめぐる社会的実態と性教育のあり方に関する研究
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19H01568
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Research Institution | Urawa University |
Principal Investigator |
河東田 博 浦和大学, 社会学部, 教授 (80258318)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 知的障害 / 性 / 社会構築 / 日本 / 特別支援学校 / 就労支援事業所 / 性に関する認知・理解 / 性教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、(1)知的障害のある人たちの性が歴史的・社会的にどのような取り扱いを受けてきたのかを構造的に明らかにする(課題1)とともに、(2)知的障害のある人たちが学校時代にどのような内容の性に関する教育をどの程度受けてきているのか、また、学校卒業後、就労支援事業所でどのような内容の性に関する教育をどの程度受けているのか(課題2)、を検討することを目的として行った。 課題1では、文献研究や海外(スウエーデン)における性に関する教育の実態把握を基に論文を作成し、知的障害のある人たちの性が歴史的・社会的にどのような取り扱いを受けてきたのかを明らかにした。 課題2では、教育・福祉関係者に焦点をあてて全国アンケート調査を行った。全国アンケート調査は、特別支援学校の養護教諭500校・500人及び知的障害者が在籍する就労支援事業所のサービス管理責任者500ヶ所・500人、計1,000人を無作為に抽出し、当該年度末の2月から3月にかけて行われた。宛先不明で返却されてきた調査用紙があったことなどから、実質回収率は319人・32.3%(特別支援学校135人・42.3%、就労支援事業所184人・57.7%)であった。現在調査結果の分析を進めているところだが、特別支援学校では例外なく性に関する教育を行っていたものの、就労支援事業所では90%近くが性に関する教育を行っておらず、性に関する教育の継続性が図られていないことが明らかになった。 次年度は、課題2の全国アンケート調査結果をさらに分析する。と同時に、就労支援事 業所で働く知的障害のある人が性に関する内容をどの程度・どのように認知・理解しているのか(課題3)、知的障害のある人に性教育を行う際どのような内容をどのような方法で行ったらよいのか(課題4)、の研究に着手していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に予定していた課題1(知的障害のある人たちの性が歴史的・社会的にどのような取り扱いを受けてきたのかを構造的に明らかにする)に関しては、文献研究等に基づき、2本の論文を作成し、社会構築の観点から明らかにすることができた。 また、当該年度に予定していた課題2(知的障害のある人たちが学校時代にどのような内容の性に関する教育をどの程度受けてきているのか、また、学校卒業後、就労支援事業所でどのような内容の性に関する教育をどの程度受けているのか、を検討する)に関しては、教育・福祉関係者に焦点をあてた全国アンケート調査を行った。全国アンケート調査は、特別支援学校の養護教諭500校・500人及び知的障害者が在籍する就労支援事業所のサービス管理責任者500ヶ所・500人、計1,000人を無作為に抽出し、当該年度末の2月から3月にかけて行ったが、実質回収率が319人・32.3%にのぼり、特別支援学校では例外なく性に関する教育を行っていたものの、就労支援事業所では90%近くが性に関する教育を行っておらず、性に関する教育の継続性が図られていないことを明らかにすることができた。 以上のことから、課題1・課題2共に、当初の目的をほぼ達成することができており、当該年度の研究は、順調に進んでいると評価することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、課題2の全国アンケート調査結果をさらに分析しながら、どうすれば就労支援事業所でも性に関する教育を実施することができるのか、を模索していきたいと思っている。 そのために、全国3カ所の就労支援事業所(岩手:社会福祉法人A・就労支援事業所B、長野:社会福祉法人C・就労支援事業所D、長崎:社会福祉法人E・就労支援事業所F)で働く知的障害のある人が、性に関する内容をどの程度・どのように認知・理解しているのか(課題3)、知的障害のある人に性教育を行う際、どのような内容を、どのような方法で行ったらよいのか(課題4)、という新たな二つの課題に取り組み、当該研究を深めていきたいと思っている。
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Research Products
(2 results)