2021 Fiscal Year Annual Research Report
「スターチミクス」の確立:多様な米澱粉の構造・物性・利用特製のカタログ化
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19H01608
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
藤田 直子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (90315599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花城 勲 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 准教授 (30336325)
西岡 昭博 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (50343075)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 澱粉 / 米 / アミロペクチン / アミロース / 変異体 / 澱粉構造 / 澱粉物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭水化物は、タンパク質、脂質とともに3大栄養素の一つであり、我々が摂取するエネルギーの半分を占める。我々が摂取する炭水化物源の中心は澱粉であり、古代から人は様々な植物由来の澱粉を加熱などの調理を施すことで食してきた。現在の食品産業において、「おいしさ」と「健康志向」は最も重要なキーワードであり、今後は様々な澱粉の構造や特徴を熟知したうえで有効利用することが欠かせない。本研究の目的は、 (1)遺伝的背景が異なる米(変異体米)および(2)調理および物理的処理を与えた澱粉構造および澱粉物性を詳細に調べ、(1)と(2)の関係を明確にすることである。また、本研究で得られたデータと既存データをカタログ化し、「遺伝子」、「澱粉構造」、「澱粉物性」および「利用特性」の一連の流れのそれぞれの関係をつなげることで、澱粉の新学問領域「スターチミクス」を確立することである。 2021年度は、スターチミクスを実現するために、我々が開発してきた澱粉生合成関連酵素の変異体のうち、澱粉の性質が特徴的で且つ戻し交配によって農業形質を改善し、品種登録申請の可能性がある系統に絞ってそれらを繁殖した。完熟種子から澱粉を精製し、未分解澱粉のゲルろ過、キャピラリー電気泳動による鎖長分布解析、枝切り澱粉のゲルろ過法により、それらの澱粉構造を明らかにした。また、変異体米にインディカ米由来のスターチシンターゼ(SS)IIaおよび澱粉粒結合型(GB)SSIを導入することで澱粉構造や性質を改変した材料についての解析も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2年間で、本プロジェクトの要となる未分解澱粉のゲルろ過法を確立し、得られる各ピークの構造も明らかにした。現在、それらについては、国際誌に投稿するための準備を行っている。また、2年目に明らかにしたせん断処理した米粉の未分解澱粉による構造解析についても、順次論文化し、2022年度中に投稿予定である。3年目は、スターチミクスのカタログ化を目指して澱粉構造解析を終了しており、これらのデータに基づいて最終年に澱粉物性を測定し、カタログ化を完成させることが可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度、繁殖した完熟種子からの精製澱粉を用いて、それらの物性を調べ、昨年度解析した澱粉構造とともにカタログ化する。具体的には、熱糊化特性を熱分析装置を用いて各系統の各種糊化温度(糊化開始温度、糊化ピーク温度、糊化終了温度)および糊化熱量を測定する。また、糊化粘度をラピッドビスコアナライザーで測定し、食品により近い性質を明らかにする。以上の分析結果を澱粉構造解析と合わせて、遺伝的背景に基づいて考察し、カタログ化する。
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Research Products
(27 results)