2019 Fiscal Year Annual Research Report
新教育基本法の比較教育法制研究をふまえた現代立憲主義に基づく逐条解釈
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19H01624
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
世取山 洋介 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90262419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 和志 神奈川大学, その他の研究科, 教授 (10409906)
石井 拓児 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (60345874)
市川 須美子 獨協大学, 法学部, 教授 (30117692)
小泉 広子 桜美林大学, 総合科学系, 教授 (40341573)
今野 健一 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (70272086)
谷口 聡 中央学院大学, 商学部, 准教授 (40636247)
丹羽 徹 龍谷大学, 法学部, 教授 (10237787)
堀口 悟郎 九州産業大学, 地域共創学部, 准教授 (40755807)
光本 滋 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10333585)
安原 陽平 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (50723102)
山岸 利次 宮城大学, 看護学群(部), 准教授 (50352373)
高橋 哲 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10511884)
大島 佳代子 同志社大学, 政策学部, 教授 (00223800)
中川 律 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (60536928)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 新教育基本法 / 原理法的性格 / 人格の完成 / 国際人権 / 日本国憲法 / 新自由主義 / 新国家主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、新教基法の各条項の担当となった研究分担者などによる報告を内容とする研究会を重ねて、本研究の目的の一つである新教基法のコンメンタール作成に向けての基礎的な作業を行ってきた。 これまでの新教基法に関する研究では、新教基法制定の背後に座っていた政治原理である新自由主義とし国家主義に基づいて、これらの政治原理がどのように各条項の文言に反映してきたのかが検討されてきた。これに対して、本年度においては、日本国憲法およびいわゆる社会権規約、自由権規約や子どもの権利条約などの国際人権法のもとにおいて確立している法原理に基づき、新教基法の各条項がいかに読まれるべきか、という観点からの検討を各条項毎に進めてきた。 その結果、新教基法を全体として各種法令を解釈の指導原理を提供するものとして位置付けること、すなわちその原理法的性格を認めることは、新教基法の全体としての憲法との順接性が失われている以上できず、各条号ごとに、憲法および国際人権との順接性の有無を確認したうえで、各条項毎に法原理性を有しているのか否かを確認すべきであるとの見解が有力視されるに至っている。そして、各条項毎に見れば、例えば、新教基法の1条にも継承されている人格の全面的発達という教育目的に基づいて、新教基法の各条項の本来的な意味を明らかにすすることができ、その結果、新自由主義などの政治原理に基づく各条項の運用を排除することができるという解釈もなしうることが明らかになってきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全18条ある新教育基本法のコンメンタール作成に当たり、条項別の検討会を終了するのに2年度かかると見込んでいたのが、1年度でほぼ終了することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、各条項のコンメンタールの草稿の執筆を終了させ、研究会による共同的検討を経て、草稿を完成させる予定である。
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Research Products
(7 results)