2019 Fiscal Year Annual Research Report
VR技術を用いた教師の即時的な課題解決方略を高めるシステムの開発
Project/Area Number |
19H01682
|
Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
西原 康行 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (50339959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 渉 新潟医療福祉大学, その他部局等, e-ラーニング推進室長 (00377144)
鵜瀬 亮一 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 助教 (00793291)
生田 孝至 岐阜女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20018823)
米村 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20403769)
姫野 完治 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (30359559)
木下 直彦 新潟医療福祉大学, 医療経営管理学部, 講師 (50734232)
佐藤 大輔 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (60544393)
大森 豪 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 教授 (70283009)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 教育工学 / 身体教育 / 教師教育 / VR |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,研究代表者が行なってきた暗黙知研究を拠り所として、【課題1】体育教師が授業時のVR映像とアイトラッキング(どこを観ているのか)を自覚化して課題確定できる360度動画システムを開発するとともに,【課題2】脳の島皮質(内受容感覚)刺激から自覚化をピンポイントで確定して効率的に授業時の即時的な課題解決方略を立てる力量を高める方法を確立する. 本研究課題は,VR技術を用いて教師の即時的な課題解決方略を高めるシステムを開発することである.1年目は,初心者教師(以下:初心者)と熟達教師(以下:熟達者)がそれぞれに同一の体育授業のVR映像を観て,アイトラッキングによる視点ポイント,語り(なぜそこに注視するのか)のアノテーションを同期させるシステムを開発した.また,本システムは,他者の意見を記録・集積する集合知のデジタルアーカイブとしても機能させる予定である.2年目は,本システムを用いて,初心者の内受容感覚(MRI及び簡易脳波測定)から課題解決方略を抽出して自覚化のトレーニングを図り,初心者の即時的な課題解決方略を高める方法論を確立する.熟達者3名,初心者3名を研究対象として,即時的な課題解決方略を立てる力量向上トレーニングを行なう予定である.3年目はN市内の数校の小・中学校(体育授業研究会に参加している教師)において導入して「形成的授業評価」「教師のモラールサーベイ」「協調的授業改善の日常化」の視点から汎用性を検証する.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目である本年度は,初心者と熟達者が同一の体育授業のVR映像を観た際のアイトラッキングによる視点ポイントと語りのアノテーションを同期させた.特にバスケットボールの実践フィールドにおいて指導者の360度視点映像及び野球における指導者の360度視点映像を採取して,指導者の視線との同期を試みている.視点映像については,種目によって指導者の視点が異なり,特に野球においては360度視点映像を取る必要がなく,ワイド画面での映像から指導者の再現認知情報を取得できることが明らかとなっている.さらに360度視点映像をVRにて再現認知することにより,初心者と熟達者の再現認知の差異が明らかとなり,VR映像による認知の有効性を見出すことが可能となった.また,今後はVR視点映像と語りを観ながら意見交換ができる「意見交換の場」を作り,意見を記録・集積する集合知のデジタルアーカイブとして機能させる予定である.さらに多くの種目で熟達者と初心者の認知の違いや初心者の学び(何をどのように学んだのかの具体的なカテゴリー)を明らかにしていく.
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目は,内受容感覚(本研究の場合、熟達者と初心者の認知の予測誤差)が島皮質に影響している(Ainley V, Apps M.:2016)ことが明らかなことから、1年目に開発したシステムを観ながら初心者の内受容感覚をMRIと簡易脳波測定で抽出して、どの場面において自覚化(内受容感覚信号が大きい)が起きているのかを確定する。その後、即時的な課題解決方略を立てる力量を向上させるトレーニングを行なう。 特に,自覚化の起きている場面について,システム上で初心者と熟達者が討議を行ない、初心者の課題解決の自覚化を促した後、再度、VR映像を観て改善場面や改善箇所を特定していくトレーニングを繰り返す。 また,3年目には,2年目において初心者の即時的な課題解決方略を高める方法論を確立した上で、計画通りにN市内の数校の小・中学校において導入して汎用性を検証する。
|
Research Products
(28 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 教職概論2019
Author(s)
西原康行(新潟医療福祉大学教職実践研究会編)
Total Pages
172
Publisher
大学教育出版
ISBN
9784866920320