2021 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語処理と学習プロセスセンシングを用いた協調学習の形成的評価環境の構築
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19H01714
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大島 律子 静岡大学, 情報学部, 教授 (70377729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綱川 隆司 静岡大学, 情報学部, 講師 (30611214)
猿渡 俊介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (50507811)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 協調学習 / 評価 / センシング / 自然言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,主に高等教育機関においてグループでの協調学習を適切に支援するための形成的評価環境を構築することである.ここでいう形成的評価とは,授業中あるいは,授業期間中に教授者が行う学習のプロセス評価のことであり,実施中の授業に活かすために収集する情報のことを指す.今回構築する評価環境は,1)学習者の持つ協調に関するスキルを事前(授業開始前)に診断する自動評定システムの開発,ならびに2)非言語行動(顔の向きや体の動きなど)からグループの活動の解析を行うための手法を考案することである. 当該年度では,主に以下の事柄に取り組み成果を得た: 1.協調学習における多人数の発話内容を記録した対話ログを効果的に分析するため,BERTベースのトピック分析手法であるBERTopicを用い,学習中のどの時点でどんな話題をどのメンバーが話しているのかについて、ヒートマップ形式で可視化する手法を提案した.これにより,課題とは直接関係ない雑談の発話が行われている時間帯や,メンバーごとの発話傾向の示唆が得られることを示した. 2.開発した名刺型センサバッジの性能向上を検討する一環として,消費電力ならびに時刻同期精度に関する評価実験を行い,センサバッジの改良に関する示唆を得た.さらに,前年度構築したSensor-based Regulation Profiler(SRP)を教授者が使えるようにするためのwebアプリケーションであるSRP Webを開発した. 3.協調的な学習活動の評価観点を定めるために,学習プロセスの様態と学習成果物の質の関係性について引き続き検討を行なった.具体的には,学習者の持つ学びに対する認識の変化と学習環境の関係(対面,ハイブリッド,オンライン)に関する検討やグループにおける個人貢献のパターンに関する実験的検討を行なった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により,データ収集のための実験等が当初予定の通りには行えない状況となっている.このため,データの分析にも遅れが生じている.さらに,研究を進める上で特に重要となる海外の研究者との意見交換も不十分である.
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Strategy for Future Research Activity |
既存の収集データの再分析などを通じて,研究活動が支障なく行えるようになった際に優先的に取り組むべきことについて見通しをたてる.
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