2019 Fiscal Year Annual Research Report
個別学習から協調学習をシームレスに支援するIoTプラットホーム学習支援環境の開発
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19H01727
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野口 孝文 北海道大学, 情報基盤センター, 訪問研究員 (20141856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
梶原 秀一 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00280313)
千田 和範 釧路工業高等専門学校, 創造工学科, 准教授 (30342562)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 協調学習 / プログラミング教育 / IoTプラットフォーム / ロボット / IntelligentPad |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,協調学習における課題をモジュールとして実行可能な小課題に分割し,小課題を個別学習で達成した後にその結果を持ち寄り協調学習で課題達成するシステムを開発する.課題を小課題に分割することで小課題の目的が明確化し単純化できるため,多様なレベルの学習者に対応した個別学習を実現できる.また学習者は,自身が担当した小課題を達成することによって,小課題を統合する協調学習では,課題における分担した小課題の役割を理解することができ,積極的に参加することが可能になる.本研究は教材のIoT化によって,IoTプラットフォームで教材の統合を実現し,これをプログラミング教育に用いる プログラミング教育には,学習者のレベルの差に起因して,①一斉授業では学習者全員に適する課題を用意することが難しい,②グループ学習では学習者同士を協調させることが難しいという問題がある.さらに,③プログラミングの作法が教材に左右され,得た知識が小学校から中学校,高校,大学と継続的に利用し難いといった問題がある.本研究は,個別学習と協調学習を統合することでそれぞれの学習方法における①②の問題を解決するばかりでなく,継続的に利用可能な学習環境を実現することで③の問題を解決する.そのためのシステムとして,個別学習から協調学習をシームレスに支援するIoTプラットフォーム学習支援環境を開発する. 本年度は,ロボット基板の新たな製作およびIoT化の実現,複数のロボットの連携及びこれを用いた授業を北海道大学実施した.またその結果の一部は学会で発表し,さらに詳しい成果を次年度発表する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,以下の3点を実現することによって多様な知識レベルの学習者に対応し,継続的に利用可能な学習支援システムを実現する. ① 個別学習と協調学習をシームレスにつなげるIoTプラットフォームの開発 ② IoT化したプログラミングロボット教材の開発 ③ 開発したシステムの大学および高専における利用評価 本研究は,研究代表者の他に研究分担者として布施泉(北海道大学),梶原秀一(室蘭工大),千田和範(釧路高専)が①から③を,我々が開発してきたシステムおよび授業を基礎にして実施し有効性を確かめる.本年度は当初の計画通り,基板の開発及びロボットのIoT化を行い,北海道大学において教材を用いた授業を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度では,プログラミングロボットのIoT化を行いこのロボットを用いた個別学習とそれを組み合わせた協調学習を北海道大学で実施した.本年度は,授業の実施結果をもとに改良を行うほか,北海道大学と釧路高専で授業実践を行う. IoTプラットフォームの開発は,研究代表者が研究開発してきたIntelligentPadの技術を用いて開発する.初年度に引き続き,IntelligentPadシステム上にIoT機器同士の連携を簡単な操作で統合再編集できるシステムの改良を行う.また,同様の機能(IoT機器の統合操作)をタブレットやラズベリーパイといった小型のコンピュータや組み込みコンピュータでも可能にするためのカーネルプログラムの開発に着手する. プログラミングロボットは,これまで我々が開発してきたロボットを基に前年度IoT化したものを用い,授業実践の結果をもとにロボットのプログラムおよびIoTプラットフォームの改良を行う.昨年度に引き続き,回路の設計を研究分担者の梶原が,基板の設計を千田が,プログラムの開発を研究代表者が行う. プログラミングロボットを用いた授業は,前年度北海道大学で行ったが,今年度は北海道大学と釧路高専で行う.授業担当は本研究分担者が担当する.ここで,当初予定していた室蘭工業大学での本ロボットを用いた授業は,室蘭工業大学の体制が変更になっため行わない.授業を行った結果は,来年度の開発にフィードバックする.研究分担者の布施は協調学習にも多くの知見が有り,研究代表者および分担者間で密に情報交換を行う.
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Research Products
(11 results)