2020 Fiscal Year Annual Research Report
自閉スペクトラム症児の「聞き取り」と「読み取り」の困難さの要因を探る実証研究
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19H01753
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松井 智子 中央大学, 文学部, 教授 (20296792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤野 博 東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (00248270)
篠原 靖明 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (10732737)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 音韻知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)聞き取り困難の所在追究実験(行動評価及び脳波解析):ASD児のよる「聞き取り」の困難は音声知覚と音韻認識のどちらに存在しているのか、その疑問を解明するため、日本語音声を使用して聴覚弁別実験と音素識別実験を実施した。また、事象関連電位の中でもミスマッチ陰性電位を分析することで、定型児とASD児の間で音声知覚と音韻認識がどのように異なっているのか、比較した。
(2)ピッチアクセント知覚(行動評価):先行研究によると、ASD児は基本周波数の変化に敏感であるが、言語音の認識においてその優位性を発揮しない傾向がある。また、定型児に比べASD児は、音声の長さや強さといった音響要素の変化に対しては敏感ではない。これら結果から本研究では、日本語ピッチアクセントの認識において、ASD児は音韻認識と音声知覚の両方において困難を持つと仮説を立てた。ピッチアクセントに係る聴覚弁別及び単語認識実験を定型児とASD児の両群に対して行い、その結果を比較した。
(3)コミュニケーションと感覚および社会認知の関係:自閉スペクトラム症(ASD)の小学生を対象として、コミュニケーションの特徴と認知特性、感覚特性の関係について定型発達の小学生と比較し検討した。CCC-2(子どものコミュニケーション・チェックリスト)、感覚プロファイル短縮版、心の理論課題、中枢性統合を評価する課題を実施した。CCC-2は「音声」「文法」「意味」「首尾一貫性」、感覚プロファイルは「聴覚フィルタリング」「視覚・聴覚過敏性」の項目を分析した。その結果、ASD群では心の理論と「音声」「文法」との間に有意な正の相関が、TD群では「視覚・聴覚過敏性」と「意味」「首尾一貫性」との間に有意な負の相関がみられた。この結果から、ASD群の言語コミュニケーションの特徴には心の理論は関係するが中枢性統合と感覚特性は関係しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASD児の対面調査をすることができるようになり、実験データを収集することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
行動実験、脳波実験ともに、ASD児の参加人数を増やして明確な群間比較ができるように調査を進めていく。
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[Journal Article] Context-prosody interaction in sarcasm comprehension: A functional magnetic resonance imaging study.2022
Author(s)
Nakamura, T., Matsui, T., Utsumi, A., Sumiya, M., Nakagawa, E., Sadato, N.
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Journal Title
Neuropsychologia.
Volume: Online Publication.
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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