2023 Fiscal Year Annual Research Report
身体性と実行機能の関連からみた空間的視点取得の生涯発達の解明と教育・医学的応用
Project/Area Number |
19H01754
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
渡部 雅之 滋賀大学, 役員, 理事 (40201230)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 日美子 同朋大学, 社会福祉学部, 教授(移行) (10532038)
松田 繁樹 滋賀大学, 教育学系, 教授 (60405058)
遠藤 美行 滋賀大学, 教育学部, 研究員 (60835502)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 空間認知 / 視点取得 / 乳児 |
Outline of Annual Research Achievements |
他者視点に対する理解力はすでに1歳半の乳児に見られるとの報告があり、わずか9か月の赤ちゃんにもその可能性がある。他者の視点に立って視点取得を行うには、自分自身が他者の占める場所に移動したと想像し(視点移動)、そこから風景がどう見えるのかを考える必要がある。この視点移動がいつ頃現れるのかを、生後4か月頃からの縦断研究で明らかにすることが目的であった。 15組の親子に毎月1回検査を受けていただいた。視点移動を捉えるため、画面に顔図形を提示し、片方の目を5秒間点滅させ、同時に2種類のブザー音(高音と低音)のいずれか一方を提示した。次に、反対側の目を点灯し、もう一方のブザー音を鳴らした。これを何度か繰り返して、目の左右と音の高低の対応を学習させた後、顔図形を90, 180, 270度のいずれかまですばやく回転し、今度はいずれか片方のブザー音だけを4秒間提示した。アイカメラで乳児の視線の動きを計測し、顔図形回転提示後の左右の目における注視時間を比較した。加えて、身体や社会性の発達との関連についても検討するため、親子の自由遊び場面の観察、遠城寺式乳幼児分析的発達検査なども行った。 目の半径の2.5倍の同心円を関心領域としてTobii Pro Lab で注視時間を算出した。正答側の注視時間が誤答側より長い場合に正答と判定した。記録がない場合や正誤側で同じ値の場合は無効とした。月齢で4~8か月、9-11か月、12-14か月の3群に分け、回転角度ごとの正誤の人数を比較したところ、4~8ヶ月の早期に顔刺激が上下逆さまに提示された180度の位置に対して、9~11か月の中間段階で右手側90度の位置に対して、それぞれ正答が誤答よりも有意に多かった。身体や社会性の発達との明確な関連は認められなかった。 今回の結果は1歳前の乳児にも視点移動が可能であることを示唆するものである。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|