2020 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な生活介入による高齢者の生活力向上の長期持続効果の実証と予測モデルの検証
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19H01760
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野内 類 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (50569580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 裕治 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 准教授 (00424317)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 認知介入 / 栄養介入 / 生活力改善 / 安静時fMRI / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康な前期高齢者100名を対象にランダム化比較試験を行った。参加者は、全般的な認知機能検査(MMSE)などの心理検査やアンケート等を事前に実施し、認知症などに該当しないことを確認した。参加者は、2つの群(1認知・栄養介入、2コントロール介入)に60名ずつランダムに割り振った。介入期間は12週間であった。介入前後で、認知機能検査や運動機能検査や生活の質など各種検査を実施した。 『1認知・栄養介入群』:認知介入は、申請者が開発した様々な認知的要素(抑制・速度・切替・記憶)を含んだ脳トレゲームを15分間実施した。ゲームの難易度は、成績によって最適になるように変動する。栄養介入は、フラボノイドなどが豊富に含まれている食品を摂取した。 『2コントロール介入群』:認知介入として、様々な言語・視覚的パズルゲームを実施した。ゲームの難易度は変化しなかった。栄養介入としては、栄養成分が含まれていないプラセボ食品を用いた 認知介入による認知機能・生活の質の向上効果の解明するために、すべての検査項目は、事後検査のスコアから事前検査のスコアを引き【向上量】を算出した。認知機能と生活の質の【向上量】の変動をGLMMなどを用いて群間比較(認知・栄養介入vsコントロール介入)を行ったところ、認知・栄養介入群の方が、認知機能(記憶や処理速度)が有意に向上することが明らかになった。さらに、安静時の脳活動の変化を解析したところ、認知・栄養介入群の方が、注意系ネットワークの結合性が向上することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通りの参加者をリクルートし、介入を行うことができた。さらに、MRIを用いた脳計測も順調に行うことができた。 心理行動解析においては、最新のGLMMを用いた解析方法を行うことで、参加者の個人差を含む解析モデルを設定することができた。安静時の脳活動の解析では、先行研究をもとにプレプロセッシングを適切に行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、被験者のリクルートを行いながら、運動介入や認知・運動介入等を実施していく。さらに、介入課題の成績などをもとにした成長曲線などを用いて、どのような個人の認知機能が向上しやすいのかを機械学習を用いて明らかにする。
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