2020 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋電気刺激を用いた同期的神経活動が視覚・認知に与える効果の検証
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19H01771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四本 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経同期 / 時間知覚 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳内の同期的神経活動がヒトの知覚や認知に及ぼす効果を検証することを目的として、行動実験、経頭蓋磁気刺激、脳波測定を用いて実験を行った。視覚刺激に時間変調を加え、それにともなって知覚される時間長が変化することを確認した。さらに、時間変調を持つ視覚刺激観察時の脳波を測定し、視覚刺激が脳内の神経同期を引き起こしていることを明らかにした。その際、意識的には知覚されない脳内の神経同期活動が、知覚される時間長に影響を及ぼすことを見出した(Li, Ito, & Yotsumoto, 2020)。さらに、同時提示される複数の視覚刺激が相互に影響を及ぼすことを行動実験により明らかにした(Kawahara & Yotsumoto, 2020)。今後は脳波等を測定することにより、神経同期との関連を検証する予定である。また、感染症対策による外出規制により、高齢者を対象とした行動実験と脳波実験を中断せざるを得なかったが、オンラインプラットフォームを用いた国際共同研究に参画し、外出規制がヒトの心理や知覚に及ぼす影響を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症対策のための外出規制により、実験室での実験のいくつかは中断している。一方で、オンラインプラットフォームを用いた実験を複数行うことにより、新たなデータを取得できている。外出規制環境下での時間知覚に関する国際共同研究では、日本サイトの代表者を務めるなど、国際的連携も取れている。
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Strategy for Future Research Activity |
低次の感覚知覚に関しては、視覚刺激の時間変調が知覚に及ぼす効果を脳波測定を用いて引き続き検証している。また、聴覚刺激や触覚刺激の時間変調も実験に取り入れるため、マイコン制御の実験系を立ち上げる。神経同期が高次認知に及ぼす効果を検証するため、脳内の神経同期が審美判断に及ぼす効果について、経頭蓋電気刺激を用いて検証している。
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Research Products
(18 results)