2021 Fiscal Year Annual Research Report
経頭蓋電気刺激を用いた同期的神経活動が視覚・認知に与える効果の検証
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19H01771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
四本 裕子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80580927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 経頭蓋電気刺激 / 視聴覚統合 / ベイズ統計モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、脳内の同期的神経活動がヒトの知覚や認知に及ぼす効果を検証することを目的とした。まず、視覚刺激や聴覚刺激を時間変調させることで脳内に神経引き込みを引き起こし、脳波で測定した。そして、誘発した神経引き込みが知覚や高次認知に与える効果を測定した。 研究では、同じ持続時間の視覚刺激と聴覚刺激を用いて、持続時間統合に対する注意の効果を検討することを目的とした。視覚フリッカーと聴覚フラッターの継続時間は、それぞれ物理的な継続時間よりも長く、短く知覚される傾向があるため、オンセットとオフセットのタイミングが同じで、知覚される継続時間が異なる10Hzの視覚フリッカーと聴覚フラッターを使用し、視覚、聴覚のいずれか、あるいは両方のモダリティに注意を向けるように指示して知覚量を測定した。その結果、先行研究で報告された注意に依存しない聴覚優位とは逆に、視覚刺激と聴覚刺激の同時提示の知覚は、参加者がどちらのモダリティに注意を向けるかによって異なることを確認し、2つのモダリティが統合される過程をベイズ階層モデリングにより定義した。このモデルは、持続時間統合における他の感覚モダリティの神経基盤や効果を調べるために拡張することが可能である。 また、脳内の神経活動を経頭蓋電気刺激装置を用いて操作し、高次認知が変容するかを検証する実験も行った。この研究では、内側前頭前野、左背外側前頭前野、眼窩前頭皮質への電気刺激が審美判断に影響を与えると主張する先行研究に反して、先行研究と同じパラメータを用いた電気刺激は美点評価スコアに対する強い効果を示さいことを示した。今回の結果は、最近問題となっている経頭蓋電気刺激の効果の再現性に関して、認知領域に対する効果のインフレーションの可能性を示唆するものである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)