2021 Fiscal Year Annual Research Report
New developments of automorphy of Galois representations and Serre conjecture.
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19H01778
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 卓也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90432707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都築 暢夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (10253048)
山名 俊介 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50633301)
宮内 通孝 岡山大学, 教育学域, 准教授 (70533644)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ガロア表現 / セール予想 / ジーゲル保型形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は先ずトロント大のHenry Kimと金沢大の若槻氏との共同研究の続編である一般次数のジーゲル保型形式の等分布定理とその応用であるL関数のlow lying zerosをレベルaspectに関して証明した。その証明の仮定で, 保型表現の導手と主合同部分群による固定ベクトルの存在の関係が必要であったため、その部分に関する研究を岡山大の宮内氏と共同でこなった(成果はJ.Algebraに出版済み)。さらに, 等分布定理の精密化のために分岐も許した巡回的代数拡大に関する底変換リフトに関する「基本補題」をあるHecke環の元に関して証明する必要があったのでこれを実行し、成果は論文(単著)にまとめ投稿中である。 続いて行ったのは京都大の田中氏と三菱研究所の相川氏とおこなった耐量子暗号におけるハッシュ関数の構成に応用が期待される超特殊アーベル多様体から定まる正則グラフの構造を調べた。Jordan-Zaytmanが2021年のプレプリントで構成したp進対称空間としての実現に着目し、Kazhdanの性質(T)を用いることで正則グラフのラプラシアンのスペクトラルギャップを下から評価した。以上が前半の研究概要である。 後半の研究は、都築氏と継続して行っているn次元Dwork族の法pガロア表現の像の決定の問題である。まず、Dwork 族の法2ガロア表現をnが素数である場合、ある条件のもとでn+2次3項多項式の相互法則を特徴付けた。同様にn=pが奇素数のとき法pガロア表現は種数(n+1)/2の超楕円曲線の法pガロア表現は半単純化をとると同型であることが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はガロア表現に関わる周辺分野の基礎を進展させる基礎研究を多数実行したため、ガロア表現の研究に必要な保型形式の研究を多角的に行うことができたことが要因の一つである。また、分担者である都築氏とおこなった共同研究ではDwork族のmod 2ガロア表現の像を決定し、その剰余保型性を証明することができたため、これを保型性問題に適用する準備が整ったという事実も研究を大きく前進させる一つの理由でもあった。この mod 2保型性がリフトできれば、ガロア表現の整合系にそれが伝播し、多くのガロア表現に対して保型性が証明されると期待され、その一歩手前まで来ている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究において、3次元Dwork族に付随するガロア表現の保型性を証明することである。この場合、像がA5というテイラーワイルス系が使えない状況にあるので、特に変形環の次元の上からの評価をセルマー群のLie 元と呼ばれる特殊な元に着目することで評価を行う。また、これが成功した場合には一般のDwork族のmod 2表現の保型性を都築氏と共同で行う。すでにガロア表現の像は決定しているので、あとはその像がテイラーワイルス系が使える所謂adequateという状況になっているかを調べる。
また、最近ではAllen-Thorneによって剰余ガロア表現が可約である場合の保型性が証明されているため、GL3,U(2,1)などの階数の低い場合にセール予想が解決できるかどうかテストする。
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