2020 Fiscal Year Annual Research Report
characteristic cycles and ramification of etale sheaves
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19H01780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70201506)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Frobenius--Witt微分 / マイクロ台 / 特異台 / 余接束 / F横断性 / 正則性判定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
混標数の離散付値環上の正則スキームに対し、その余接束のフロベニウス引き戻しに相当するものを、閉ファイバー上に構成した。さらにこれを用いて、スキーム上の構成可能層のマイクロ台、特異台の概念を定義した。 昨年度の研究で、離散付値環のスペクトルの閉点の余接空間のフロベニウス引き戻しに相当するものを、余接複体のホモロジー群として構成し、これがGabber-Rameroが構成していたものと一致することを示した。この証明を分析することでこの構成が一般化できることがわかり、Frobenius--Witt微分の概念に到達した。Frobenius--Witt微分は、通常の微分の加法性をp乗の2項展開に現れる式で修正し、さらにライプニッツ則もp乗を使って修正するものである。また、Frobenius--Witt微分加群はDupuyらが構成していた加群とほぼ同じものであることもわかった。適切な有限性の条件のもとで、Frobenius--Witt微分による、局所環の正則性の判定条件を得た。この加群を使って、混標数の離散付値環上の正則スキームに対し、その余接束のフロベニウス引き戻しに相当するものを、閉ファイバー上に構成した。 さらにこの余接束と、構成可能層Fに対するF横断性の概念を使って、Fが余接束の閉錐部分集合C上にマイクロ台をもつという条件を定義した。マイクロ台となりうる最小の閉錐部分集合として特異台が定義されるが、特異台の存在の証明は今後の課題である。特異台が存在するような構成可能層の例を構成し、その場合に特異台を計算した。 これらの結果を2つの論文にまとめ投稿した。これは2022年にどちらも出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
混標数の離散付値環上の正則スキームに対し、その余接束のフロベニウス引き戻しに相当するものが、閉ファイバー上に構成できたことは、予期していなかった成果である。昨年の研究では、余接複体を使った構成しかわかっていなかったが、Frobenius--Witt微分を定義することで、自然な大域的構成が可能になった。これにより、構成可能層のマイクロ台や、特異台の概念が定義できて、研究をさらに進める準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
混標数の離散付値環上の正則スキームに対し、その余接束のフロベニウス引き戻しに相当するものが、閉ファイバー上に構成できたので、次の課題は、構成可能層の特異台の研究である。 1つ目の課題は、特異台の存在の証明である。これのモデルとなるものは、正標数の場合の証明であるが、ここで本質的な役割を果たしたラドン変換には、混標数での類似がないため、新しいアイデアが必要である。 もう1つの課題は、特異台の計算である。余次元1では、離散付値体の分岐群の次数商の特性形式を使った記述が予想される。ここでは、開埋め込みに対する層の高次順像の消滅を示すことが問題になる。正標数の場合にはこれはスムーズ底変換定理から導かれるが、ここで考えている場合には射がスムーズでないため、この問題を回避することが必要になる。
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