2022 Fiscal Year Annual Research Report
characteristic cycles and ramification of etale sheaves
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19H01780
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70201506)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 分岐群 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度までの研究で、剰余体が一般の離散付値体の分岐群の理論の基礎がひととおり完成したので、2022年度にこれをまとめた本の執筆を開始した。300ページ弱からなる第1稿は完成している。本の内容は、下つき分岐群や加藤が構成したコホモロジー的分岐群を定義する第1部、巡回拡大に対してこれらを比較するHasse--Arfの定理を証明する第2部、ガロワ表現の導手を扱う第3部、分岐群の幾何的な応用を扱う第4部、上つき分岐群を構成する第5部、上つき分岐群の次数商を調べる第6部からなる。分岐群の理論はこの20年で大きく発展したが、その内容を知るには原論文を読むしかなかったので、本としてまとめることはその全貌を把握するために大きな意味のあるものである。 今年度は、5,6月にフランスのCIRMで開催したフランス-アジア数論幾何サマー・スクールで、上付き分岐群の構成と性質について解説する連続講義を行った。1コマめでは上付き分岐群の定義、2コマ目では次数商がp倍すると0になるアーベル群であること、3コマ目では、次数商の双対から微分形式の加群への単射の構成について解説した。これは本の後半の第5部と第6部の内容に対応するものであり、講義をもとにして、本の原稿を修正することができた。 11月に東北大学で行われた数論幾何の研究集会と、12月に例年京都大学数理解析研究所で行われる数論の研究集会、2月に東大で行われたモチーフの研究集会に参加した。 2月から3月にかけて、CNRSのAbbes研究員を東大に招聘し、分岐群やp進コホモロジーをはじめとする数論幾何のさまざまなテーマについて議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
剰余体が一般の離散付値体の分岐群の理論の基礎をまとめた本の執筆を進めたが、完成には至らなかった。混標数のスキーム上の構成可能層の特異台の研究では期待していたような成果は得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
混標数のスキーム上の構成可能層の特異台の存在の証明が懸案となっている。正標数の場合にはラドン変換を用いて、存在が証明されている。混標数の場合に、正標数の場合の証明の類似を探り、何が不足しているのかを追求することで、証明を模索する。
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