2019 Fiscal Year Annual Research Report
Topological Study on Riemann Surfaces through Higher Cocycles
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19H01784
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (30214646)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | リーマン面 / 写像類群 / ジョンソン準同型 / トゥラエフ余括弧積 / ループ演算 / 二重導分 / 安定コホモロジー / 自由群の自己同型群 |
Outline of Annual Research Achievements |
A. Alekseev, 久野雄介, F. Naef との共同研究によって、Turaev による gate derivative を改良した double gate derivative を導入し、コンパクト曲面の 任意の gate system について随伴する framing を発見し、その framing に関するトゥラエフ余括弧積の形式性定理の double gate derivative をもちいた幾何学的別証がえられた。 次に、高次ループ演算については、当初、自由ループでの定義を目指した。国内外の研究者との討論を重ね、試行錯誤をくり返したが、自由ループであることが原因で、Reidemeister 3 に対応するムーブでの不変性が得られず、自由ループでの高次ループ演算の構成はひとまず断念した。2020年2月に点付きループで新しいと思われる高次ループ演算を発見した。高次元化を目論み、ストリングトポロジーの専門家の招聘を試みた。当該専門家の事情で来日を 20年度に延期したところコロナ禍が発生し招聘を断念した。さらに、この演算は2021年度に既存の演算に含まれることも判明し、事故繰越分は使用を断念した。その後、久野と共同で、点付きトゥラエフ余括弧積のsecondary不変量を発見している。 A. Soulie との共同研究によって、写像類群のねじれ係数安定コホモロジー群であって、自明係数安定コホモロジー代数の上で自由加群ではない例を発見し、その例について自明係数安定コホモロジー代数上のトーション群を計算した。 研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」を開催した。また、国際研究集会「Johnson homomorphisms and related topics 2019」、研究集会「葉層構造の幾何学とその応用」および研究集会「リーマン面のモジュライ空間の諸相」を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トゥラエフ余括弧積の形式性定理の幾何学的別証がえられたことは大きな進歩であるが、高次ループ演算の構成に苦労している。一方で、写像類群のねじれ係数安定コホモロジーについては新しい研究の方向性が生まれている。
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Strategy for Future Research Activity |
久野と共同で発見した点付きトゥラエフ余括弧積のsecondary不変量の研究を積極的に進める。写像類群のねじれ係数安定コホモロジーについては着実に計算を進める。また、オペラド的な視点をもっと積極的に導入する。
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