2019 Fiscal Year Annual Research Report
調和解析的方法によるディジタル・フィルタと非線形画像処理の研究及びその応用
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19H01801
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
新井 仁之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (10175953)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フレームレット / 画像処理 / 2Dフィルタ / ウェーブレット / 多重解像度解析 / かざぐるまフレームレット / 視覚情報処理 / 錯視アート |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は本科研費(4年間)の研究の基盤固めとなる研究を行った。本研究の基礎となるのは代表者らが調和解析的な方法を用いて考案した「かざぐるまフレームレット」、「単純かざぐるまフレームレット」、「広義かざぐるまフレームレット」である。これらは、大脳皮質V1野(1次視覚野)にある単純細胞の視覚情報処理を参考にして作成したもので、多様な方位選択性をもち、さらにさまざまな周波数特性を有する2次元ディジタルフィルタからなるフィルタ・バンクで、数学的にはフレームレットの条件をみたしている。これらのかざぐるまフレームレットの変形について研究を行った。その結果、高周波部分でさらに分離能の良いウェーブレット・フレームができる可能性を見出した。これにより今後、非線形画像処理や2次元ディジタル・フィルタの設計への応用につなげることができると考えている。さらに本年度のこの研究成果を元にしたV4野の一部の数理モデル研究への発展の可能性もある。また、本年度はかざぐるまフレームレットによる画像の非線形的な処理のアートへの応用についても研究を行った。現時点ではまだ準備的な段階といえるが、これは今後、本研究で更なる研究を行うための礎石になると考えている。画像処理の錯視アートへの応用については、かざぐるまフレームレットにより構成したディジタルフィルタを使って、水彩錯視の作品を作成した。この作品はインターネットのニュースサイトである ITmedia NEWS(2020年2月7日)に、他の色の錯視の解説とともに発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
かざぐるまフレームレットに関する変形の研究など、今後の研究の下地としての研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
かざぐるまフレームレットの変形の研究を推し進め、かざぐるまフレームレットおよびその変形を用いた非線形画像処理への応用を検討する。またV4野の視覚情報処理を参考にしたフィルタリングと数理モデルについて研究を進める。かざぐるまフレームレットなどを基礎にする非線形画像処理のアートへの応用の計算機実験を行う。かざぐるまフレームレットを用いた錯視アート作品の作成を行う。
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Research Products
(1 results)