2019 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立
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19H01807
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 専任教授 (00323874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 一徳 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30447429)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 紙の燃焼現象 / 火災旋風 / Kuramoto-Sivashinsky方程式 / 画像輪郭抽出 / 分岐解析 / 界面現象 / 紙の燃焼拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該申請研究課題『燃焼前線および火災旋風の動く曲線を用いた追跡法の確立』は,界面の直接法による追跡という学問分野の枠組みに包摂され,燃焼特有の個別的現象の学理探究がその核心となる.燃焼はミクロな化学反応がマクロに可視化された現象である.したがって,燃焼現象の本質の探究は,ミクロな現象がどこまでマクロなモデル方程式に反映されているのか,モデル方程式におけるパラメータは適切に選択されているのか,そして,モデル方程式は定量的かつ定性的に解析することができるのか,という「問い」に対して真摯に回答していくことに他ならない. このような研究目的でスタートし,2019年度は,燃焼現象に関する基礎的なモデリングの研究,モデル方程式の解の挙動を追跡する数学的研究,実験データからパラメータを推定する画像処理的研究,および実験的研究がなされた.特に,以下の2点に論文という実績をつくることができた. (1) 紙の燃焼現象の実験画像を適切に画像輪郭抽出できる方法を提案し,燃焼の実験画像からモデル方程式のパラメータを推定した.モデル方程式のパラメータを恣意的に定めて,そのシミュレーション結果と実験映像を比較することは多いが,本稿はその逆で,実験映像から取るべきパラメータを定めるというアプローチである. (2)燃焼現象における反応領域の移動挙動について,実験および数値計算を実施した.実験では,紙の燃え拡がりおよび火災旋風を検討の対象とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該申請研究には,大別して,モデリング,数学解析,実験解析,数値シミュレーションの四つの手法が必須である.そのため「界面現象の数理解析」を専門とする研究代表者と「火災・燃焼の実験解析」を専門とする研究分担者の二人による研究体制にし,代表者はモデリングと数理解析を担当し,分担者は燃焼実験,モデリング,および数値計算を担当するという役割分担にした.当初の計画はこのようなものであり,現在まで,計画通りに順調に研究が進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの計画をそのまま継続するとともに,計画通りに新しいトピック『Hele-Shaw セル内のガス燃焼現象の数理解析』を追加する.Hele-Shaw セル内においては2次元のガス燃焼現象とみなせるから紙の燻焼現象研究の知見を十分に生かすことが出来るからである.
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Research Products
(10 results)