2022 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of Tensor Network Method and its Application to Classical/Quantum Spin Systems
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19H01809
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川島 直輝 東京大学, 物性研究所, 教授 (30242093)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統計力学 / 計算物理学 / 量子スピン系 / テンソルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の当初の目標は,(1)量子状態を少数自由度によって表現するTN表現の探求を通じて,対象となる量子状態の本質を明らかにすること,また,その応用として,実験的に重要ないくつかの具体的なケースに関して,TN変分関数を利用することでその物性を明らかにすること,さらに,(2)TN表現に基づく繰り込み群法の一般論を確立し,かつ実用的な計算手法を提案する.また,その応用として,3次元古典系の臨界現象を明らかにすることであった.
(1)に関しては,2021年度までの研究によって,キタエフモデルの基底状態と本質的に同じ構造をもちつつ非常に単純な量子状態の構成に成功し,その状態を出発点とした新しい変分波動関数構成法を開発し,これをもとに,S=1キタエフモデルなど関連モデルの性質解明や,新しいクラスの量子フラストレート磁性体の基底状態計算に成功していた.2022年度は,この単純な基底状態に対して対称性を破るような摂動を入れたときの量子相転移の計算を進めた.さらに,TN表現に基づいて準粒子に関する情報を抽出する手法を開発し,これによって,J1-J2モデルなど量子系の励起状態の計算が可能であることを立証した.また,(2)に関しては,2021年度までの研究によって,スケーリング次元の評価について,従来から知られていたTN表現に基づく評価手法に替えて3次元以上の高次元でも原理的に適用可能な方法を開発した.2022年度は,これに引き続き,3次元CFTの構造の詳細を明らかにするための手法開発を行った.具体的には,3次元系に対するTNくりこみ群の適用において,最大の問題点であるテンソル表現の冗長性の除去に関して,2次元系の単純な応用であった2テンソルクラスタ最適化の問題点を明らかにし,4テンソルクラスタを単位とした最適化が有効であることが分かった.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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