2021 Fiscal Year Annual Research Report
真空中の単一ナノ粒子による巨視的重ね合わせ状態の研究
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19H01822
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
相川 清隆 東京工業大学, 理学院, 准教授 (10759450)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / オプトメカニクス / 量子光学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ナノ粒子の重心運動の観測精度を向上させて、フィードバック冷却による到達温度の下限を基底状態(占有数にして1以下の状態)へと低下させるため、次のような装置の改良に取り組んだ。まず、捕捉・観測のための光学系や、ナノ粒子からの散乱光を観測用光検出器に入射するための光学系の配置について最適化を行い、より効率的に散乱光を観測できるようにした。また、レーザーの持つ光強度ノイズを低減させる技術を開発した。これらの改良により、信号ノイズ比を6倍程度改善することに成功した。その結果、ナノ粒子の運動を占有数1程度の状態まで冷却できることを実証した。 これらの結果は、ナノ粒子がわずかに電荷を帯び、外部から印加した電場によって運動を制御できることを利用した冷却手法に基づく。ナノ粒子を光ポテンシャル中に捕捉している場合は、ナノ粒子が電荷を持つことには問題はないが、研究を進める中で、ナノ粒子を光ポテンシャルから解法し、飛行時間法によって運動量分布を測定する手法を適用する際に、耐電したナノ粒子は残留する電場によって大きな加速度を感じることが判明した。この問題は、基底状態付近にあるナノ粒子の振る舞いを飛行時間法によってより詳しく観測する際に極めて重大な問題となることから、ナノ粒子を中性化し、この状態で重心運動を冷却する手法が必要であることがわかった。 そこで、ナノ粒子を中性化する手法の開発を行った。紫外光を用いる手法と、コロナ放電を用いる手法を比較した結果、両者を併用する方法であれば、再現性良く中性化したナノ粒子を生成できることが判明した。今後は、中性化したナノ粒子の冷却手法の確立に取り組む予定である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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