2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチフェロイック物質における光・マグノン・フォノン結合と伝播イメージング
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19H01828
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 琢哉 東京工業大学, 理学院, 教授 (40451885)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スピンダイナミクス / 超高速分光 / マルチフェロイック物質 / マグノン / フォノン・ポラリトン / イメージング / フォノン |
Outline of Annual Research Achievements |
スピントロニクスの研究分野では、電流の代わりに、スピン自由度の流れ(スピン流)を用いる。スピン流として特にスピン波(マグノン)を用いる研究分野はマグノニクスとよばれ、ジュール熱が原理的に生じないため盛んに研究が行われている。練成波は物質中の素励起間だけでなく、物質内素励起と電磁波との間にも形成される。分極波と電磁波の練成振動の量子をフォノン・ポラリトンという。マルチフェロイック物質BiFeO3は、強誘電性によってフォノン・ポラリトンを形成すると期待される。また、BiFeO3は反転対称性が破れているので、赤外活性なフォノン・ポラリトンをラマン散乱過程で励起することができると期待される。本研究では、フェムト秒光パルスを用いてBiFeO3にTHz帯反強磁性スピン波(マグノン)とフォノン・ポラリトンを励起し、それらが結合したマグノン・フォノン・ポラリトンの空間伝播ダイナミクスを実時間でイメージングし、その物理を解明することを目的とした。 直線偏光のフェムト秒光パルスをBiFeO3に照射し、インパルシブ誘導ラマン散乱によってマグノンやフォノン・ポラリトンを非熱的に励起した。マグノンとフォノン・ポラリトンが空間伝播する様子を冷却CMOSカメラを用いて時間分解イメージングした。得られた時空間マップをフーリエ変換することにより、分散関係を精密に求めたところ、マグノンとフォノン・ポラリトンの結合が見出された。ポンプ・プローブ偏光との関係、温度依存性を詳細に検討し、マグノン・フォノン・ポラリトンの励起機構と検出機構を明らかにした。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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