2022 Fiscal Year Annual Research Report
Hydrodynamic topology transitions: dimensionality and symmetry
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19H01859
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
奥村 剛 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (80271500)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 滴・バブルの動力学 / 擬二次元系 / 融合・分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
流体界面が、ちぎれたり、合一したりして、界面形状に特異な形状が現れる特異動力学現象は、相転移における臨界現象との類似性もあり、多くの物理学者や応用数学者の注目を集めてきている。本代表者は最近、擬二次元系での研究を実験・理論の両面から展開し数々の成果を上げてきた。本研究では、これらの研究を受け、次元性・対称性に着目し、閉じ込められた空間において、流体界面や滴やバブルの動力学に関する研究を進める。実験と理論を行き来しつつスケーリング則を確立することで物理現象の普遍性を解明することに力点を置き、同様の手法で種々の物理現象も幅広く研究する。本年度は、以下の進展があった。 (1)固体ディスクによる粘性液体への空気の引き込み現象:ディスクの厚みを固定しセルの厚みを系統的に変える実験にも着手し、再現性の高い成果が得られ、驚くべき新しいタイプの自己相似性が見いだされつつあり、今後の進展が大きく期待される。 (2)擬二次元の液中液滴の融合の動力学:昨年度、J.Phys.Soc.Jpnで発表した成果を受け、粘度比を逆転して電場をかける実験に着手し、さらに、バブル生成の研究も展開した。また、関連する海外との共同研究も継続し、昨年度に引き続き国際会議での発表も行った。 (3)そのほか:本研究の精神・戦略に基づいて展開してきている擬二次元粉粒体系の研究は引きずり抵抗の研究に加え、雪崩現象や偏析効果に着目した研究テーマも展開した。毛管上昇の基礎的な問題についても研究を継続し成果をアメリカ物理学会を含む内外の会議で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内外の学会等で16件の成果を発表(うち2件が国際会議)した。特に、固体ディスクによる粘性液体への空気の引き込み現象について、顕著な進展があったと考えているが、解析を慎重に行う必要があり、成果の論文への取りまとめには時間がかかると予測される。国際会議での発表は大きく抑制された。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの流行による種々の活動の制限があるが、研究メンバーでローテーションを組んで、密な状態を作らないように工夫をするなどして、計画に沿った研究を進めてきている。今後も、このように工夫をしてアクティビティを保つ。
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