2019 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩Flibeを用いた革新的な超長寿命液体ダイバータの設計開発
Project/Area Number |
19H01871
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江原 真司 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30325485)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 液体ダイバータ / 溶融塩 / 流れの可視化 / 乱流伝熱促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
数値解析ではCOMSOLを用いた乱流熱流動計算を行い、2次元体系かつ自由表面の変形は考慮しない条件ではあるものの、自由表面流れ流路中に半円柱状乱流促進体(ぺブル)を流路底面に設置した体系での、自由表面温度に対する流速(u)、ぺブル半径(r)、液膜厚さ(h)などの影響を詳細に評価した。最大流速1.0 m/s、最大液膜厚さ20 mm、最大ペブル半径15 mm等のパラメータ範囲で計算を行い、h/2r=1のときに除熱性能が高くなり自由表面温度が低下することが分かった。入口温度750 Kの場合、表面最高温度が880 K程度となり、蒸気圧1 Paの際の温度 940 Kを50 K以上も下回り、裕度の大きい冷却が行えることとなる。また、液体壁ダイバータに入射する種々のイオンについては、そのエネルギーが数十eV程度と然程大きくないことから、ほとんどが液体の自由表面ごく近傍にそのエネルギーを与えると考えられる。 実験では液膜厚さ3 cm、最大流速3 m/s程度となる矩形断面開水路を設計・製作した。開水路の流れは流路の幅の高さに対する比で、流れが三次元的となる狭水路と二次元的となる広水路とに分かれるが、本実験ではデータの一般性の観点から広水路となるよう流路寸法を決定した。また実験装置は、高さが一定な自由表面流(等流)となるように、流路全体を傾斜させることができるよう設計されている。実験ではまず底面にぺブルを設置しない状態で流れの可視化実験を行い、二次元流れが実現できているか確認し、その後ぺブルを設置して時間平均流れや乱れ強度などの乱流量を計測した。次いで液面加熱をニクロム線加熱で模擬した伝熱実験を行い、乱流促進体であるぺブルの寸法を変えるなどしてデータ取得を行った。両実験とも、まだ限られた条件でのみの実験実施に終わっており、十分なデータ取得ができていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
流れの可視化実験に際しては底面の球および液面による可視加用シートレーザー光の反射が問題となっており、また伝熱実験 では液面加熱用の電熱線の設置および流体中の温度計測に課題が残っており、これらについて現状からの修正が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
流れの可視化実験についてはシートレーザー光の入射角度の変更、流路(アクリル壁およびアクリル球)の塗装によって改善されると考えられ 、また伝熱実験については熱電対の自動ステージによる位置制御を用いた温度計測などにより修正可能と考えている。これらの手法により計測 精度の向上を確認した後に、流路の傾斜機構を導入し、種々の流体速度、液膜厚さによるデータを取得する。 これら水を用いた実験の後で、高温溶融塩を用いた伝熱実験について検討を行う予定である。
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