2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Environmental Process based on Physical and Chemical Phenomena of Multiphase Nanofluidic Plasma
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19H01887
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 隆行 九州大学, 工学研究院, 教授 (40191770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 学 九州大学, 工学研究院, 助教 (10707152)
茂田 正哉 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (30431521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱プラズマ / 水プラズマ / 有機物分解 / 可視化 / プラズマ温度 / アーク変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ミスト供給型水プラズマトーチにおいて原料供給量を変えた場合のアークの変動現象を明らかにするため,高速カメラ二台とオシロスコープを用いてアークの二方向同期観測をおこなった. 本実験のプラズマトーチは,ノズル型銅陽極と先端にハフニウムを埋め込んだ銅陰極棒から構成される.ハフニウムは熱電子放出材として用いられ,熱破壊から保護するために銅に圧入してある.トーチ底部の超音波振動子は,液体を2.5MHzの周波数でミスト化する.数十nmオーダーの粒径で生成されたミストは放電領域に直接導入される. 異なる原料供給量におけるミスト供給型水プラズマアークの変動現象を把握するため,二台の高速度カメラとオシロスコープを用いて二方向同期観察をおこなった.上方向からの画像では,電圧の増加に伴い,アークが半径方向へ伸長し,陽極点がノズル表面に達した後に消弧している.横方向からの画像では,アークが軸方向に伸長した際にループ先端が観察された.このアークの伸長はプラズマガス流によって生じることが観測された.解析結果よりアーク電圧は40.2kHzの周期的な変動を有している.また,主要なピーク以外のピークが見られないことから,アークは安定した一定の変動を繰り返していることが示された. 原料供給量を変化させることでアークの伸長現象を制御することができ,被分解物質の滞留時間が制御可能であると示唆された.現在では,超音波振動子を4つ搭載し,さらに広範囲で原料供給量を変化させることが可能な水プラズマトーチの開発にも成功した. 以上より, ミスト供給型水プラズマトーチは,水プラズマによる有害廃棄物分解および合成ガス生成システムの実現を可能にすることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,水プラズマのアーク変動特性の解明を研究目的とし,吸湿材を用いた水プラズマ,ミスト供給型水プラズマ,ミスト量調節型水プラズマを研究対象とした.高速度カメラとオシロスコープを同期させるシステムを用いることで,水プラズマのアーク変動解析とその制御,高速度カメラを用いた水プラズマの温度計測をおこなった. 高速度カメラとオシロスコープを用いた同期観察により,水プラズマについてアークの空間特性および時間特性を明らかにした.また,プラズマ原料および電流値,原料濃度,原料供給量をパラメータとして,そのパラメータがアークに与える影響を明らかにした. 吸湿材を用いた水プラズマとミスト供給型水プラズマにおいては,同電流値での原料供給量と変動周波数について比較を行い,その装置特性を明らかにした.その結果,原料供給量を制御することが可能なミスト供給型水プラズマは吸湿材を用いた水プラズマよりもアークの安定性を向上させることができると示唆された. ミスト供給型水プラズマにおいては,設計,製作および放電テストに成功した.また,原料供給量を変化させた場合のアーク変動観察に成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
ミスト供給型水プラズマトーチについては,新規なプラズマ発生手法であり,現段階では未解明なことが多い.これまでの実験において,今後の課題としてトーチ内の圧力を安定して現状以上に高く保つことが挙げられる. ミスト量調節型水プラズマにおいては,原料供給量を調節することができるので,原料供給量の制御によって期待される分解反応を選択できる可能性があり,今後解明していく必要がある.またこのトーチの反応管には,ガスの供給口を新たに設けており,例えばアルゴン雰囲気などでの非処理物質の分解が可能である.したがって,これらのトーチ改良によって非処理物質の分解条件は非常に選択肢を得ることができると予想される.
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Research Products
(6 results)