2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of methods to evaluate reactive species' spatial distributions for establishing plasma-bio science bases
Project/Area Number |
19H01889
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
伊藤 昌文 名城大学, 理工学部, 教授 (10232472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅士 名城大学, 農学部, 教授 (70242849)
村田 富保 名城大学, 薬学部, 准教授 (80285189)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 大気圧プラズマ / 長寿命活性種 / 短寿命活性種 / 時空間分布計測 / 液相 / 気相 / 気液界面 / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、プラズマから発生する電気的に中性な活性種、イオンや電子などの荷電粒子やエネルギーの高い紫外光などの放射光子の気相の活性種の絶対密度だけでなく、気相中の活性種が液相中で反応して新たに発生する液相の短寿命活性種の絶対密度の時空間分布を定量評価できるシステムを構築することを第一の目的としている。このシステムを用いて照射量を精密に制御することで大腸菌や酵母などの細菌細胞、メラノーマや線維芽細胞などの培養細胞に対しての時空間的な不活性効果だけでなく活性効果を定量的に評価することを最終目的として研究を遂行している。 昨年度までに上記定量評価システムが完成し、現在システムの性能試験を行っている。 具体的には、液相の寿命が長い過酸化水素や硝酸イオン、亜硝酸イオンなどの活性種の密度分布の時間的な変化の計測を行い、時空間分解計測ができることを確認した。時間的には100μsで縦方向20㎜程度の空間を約50μmの分解能で吸収スペクトルを取ることに成功した。 また、液相での空間的に平均化した吸収の測定や線維芽細胞の活性化、メラノーマ細胞のアポトーシスが起こる条件を探索し、その気相のラジカル密度との相関から一酸化窒素や酸素ラジカルがキーとなる活性種であることが判明した。これらの成果は一部既に論文として発表し、他の成果についても次年度発表する準備をしている。 今後は、ヒドロペルオキシラジカルや過硝酸、ヒドロキシラジカルのような短寿命を寿命の差から時間分解計測する新たな空間分布測定法を開発し、今まで不明であった液相の短寿命活性種の時空間分布計測法の確立に向けて、装置の改良を行う。 また、これらの活性種密度の時空間分布と線維芽細胞やメラノーマ細胞との相互作用分布計測を行い、本年度得た平均的な濃度測定による知見と比較検討することで、短寿命活性種と細胞との相互作用メカニズムの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに上記定量評価システムが完成し、現在システムの性能試験を行っている。具体的には、液相の寿命が長い過酸化水素や硝酸イオン、亜硝酸イオンなどの活性種の密度分布の時間的な変化の計測を行い、時空間分解計測ができることを確認した。時間的には100μsで縦方向20㎜程度の空間を約50μmの分解能で吸収スペクトルを取ることに成功した。 また、液相での空間的に平均化した吸収の測定や線維芽細胞の活性化、メラノーマ細胞のアポトーシスが起こる条件を探索し、その気相のラジカル密度との相関から一酸化窒素や酸素ラジカルがキーとなる活性種であることが判明した。これらの成果は一部既に論文として発表し、他の成果についても次年度発表する準備をしている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒドロペルオキシラジカルや過硝酸、ヒドロキシラジカルのような短寿命を寿命の差から時間分解計測する新たな空間分布測定法を開発し、今まで不明であった液相の短寿命活性種の時空間分布計測法の確立に向けて、装置の改良を行う。 また、これらの活性種密度の時空間分布と線維芽細胞やメラノーマ細胞との相互作用分布計測を行い、本年度得た平均的な濃度測定による知見と比較検討することで、短寿命活性種と細胞との相互作用メカニズムにの解明を目指す。
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