2022 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01897
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 茂樹 京都大学, 理学研究科, 教授 (80362408)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホログラフィックQCD / 重力形状因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
バリオンの重力形状因子をホログラフィックQCDを用いて解析した。バリオンの重力形状因子は考えているバリオンと重力との相互作用を表す量で、エネルギー運動量テンソルをバリオンの状態で挟んで得られる行列要素から定義される。これはバリオンの内部の密度分布、角運動量分、圧力やせん断力といった量に関する情報を含んでおり、バリオンの内部構造を知る上で重要な物理量である。本研究では、これを弦理論に基づくQCDのホログラフィック双対な記述であるホログラフィックQCDを用いて計算する方法を開発した。2021年度の実績報告でも述べたように、我々の解析によると、重力形状因子がグルーボールの交換によって記述できることが示されるが、特に低エネルギーの極限における重力形状因子の値はメソンの有効作用から直接計算できることも見出し、これを利用してD-termの値を評価した。この成果は論文として発表し、PTEP誌に掲載された。 また、弦理論における時空の境界を表すEnd-of-the-world (ETW) braneを次元簡約によって得る方法を提案し、これをM理論に適用することによって、type 0 弦理論における新種の ETW brane を構成した。そして、その brane の tension を計算したところ、これが非摂動的な物体であることを示唆する結果を得た。この成果は論文としてまとめ、JHEP 誌に掲載されている。 また、2021年度までの研究で、共形対称性がポアンカレ対称性に自発的に破れる場合の低エネルギー有効作用を書き下すことで、AdS/CFT対応で予想される AdS 時空の構造が得られることが分かったが、これを一般化して、時空に作用する対称性の群Gが部分群Hに自発的に破れる場合に拡張する研究も行った。これについては論文を準備中である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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