2021 Fiscal Year Annual Research Report
Search for Fast Moving Dark Matter Candidates and Interstellar Meteoroids
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19H01910
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
梶野 文義 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員 (50204392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多米田 裕一郎 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (90467019)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / Nuclearite / 星間流星体 / 流星体 / macro dark matter |
Outline of Annual Research Achievements |
1) これまでの予備的観測に基づいて、マクロ暗黒物質や星間流星体を探索する新計画であるDIMS実験の目的、実験方法、期待される成果等を公表した。(S. Abe et al. ICRC 2021) 2) DIMSカメラで観測された数多くの星に対して天文学的で測光技術を用いた較正を行い、位置精度や感度の評価を行った。さらにマクロ暗黒物質に対する質量‐断面積関係における期待される制約領域の予備的結果を示した。(D. Barghini et al., ICRC2021) 3) DIMS実験で使用する予定の太陽光給電システムの設計とその性能測定結果について公表した。(D. Shinto et al., ICRC2021) 4) DIMS実験におけるマクロ暗黒物質探索において2種類の理論的モデルを検討し、質量‐断面積関係における期待される制約領域の予備的結果を示した。(D. Barghini et al., Kashiwa Dark Matter Symposium 2021) 5) 2017年に取得したDIMS実験のデータを用いて、カメラセンサーの較正方法の検討、および観測された流星の速度や等級の分布を求め、マクロ暗黒物質の存在に関する初期の結果を得た。(D. Barghini et al., WGN, Journal of the International Meteor Organization) 6) 日大、大阪電通大、甲南大に設置したDIMS装置の試験観測結果、明野に移設した装置の試験観測結果等を報告した。(S. Abe et al., International Meteor Conference (IMC 2021)) 7) DIMS実験の装置設置、観測、データ解析の状況、および今後の計画を公表した。(梶野文義他、日本物理学会2021年秋季大会および2022年年次大会)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度の進捗状況は以下のようになっている。 1) 遠隔操作で観測ができる4ステーションからなるシステムの試験を昨年度に引き続き実施した。それぞれのステーションには高感度カメラ、データ収集・カメラ制御用PC、環境モニタ、通信システム等を実装されている。これらは観測窓のついた耐侯性のステンレス製容器に収納されている。1台は電源ラインが無いところで運転するため太陽光発電装置の開発を行った。 2) 甲南大学、大阪電気通信大学、日本大学の屋上に観測装置を設置して遠隔操作で観測を行った後、本年度に4台の観測装置を米国ユタ州の観測地に送り出し、現地に出張して装置の組立て・設置を完成し、稼働させる予定をしていたが、COVID-19の影響が長期化し、観測装置の輸送と人員の出張ができない状態が続いたために、計画の一部を再度変更し、8月から12月にかけて宇宙線研明野観測所、東大木曽観測所、信州大学の3カ所の屋上に観測装置を移設し、遠隔制御で連続的に観測を行った。 3) 観測装置はほぼ設計通りに稼働し、多くのデータを集積できたが、日本国内では観測のための天候が十分に良くないために、データの質と量はともに不十分であった。 このため、当初予定していた米国ユタ州への装置設置と観測実施の計画の部分に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のような研究を推進する方策をとる。 1) 遠隔操作で観測がより便利にできるシステムを引き続き開発する。特にグラフィカルユーザインターフェースを用いた自動観測とデータ取得状況のモニターをできるようなソフトウェアの開発に重点をおいて進める。 2) このシステムを日本国内や米国ユタのTA実験サイトに設置し観測を行い、各種の観測パラメータの最適化を行う。 3) 取得したデータの解析を進める。 4) これまでの研究成果と今後の研究計画についての発表を行う。 COVID-19の影響の長期化による、装置輸送の不確実性や国内・海外出張等の困難が予想されるので、国内での研究と観測体制の整備、観測装置の遠隔による操作能力向上のための装置やソフトの改良、ネットを活用した国際的な研究会議や共同研究体制をさらに強化し、ユタ州への観測装置設置に向けてこれまで以上に体制を整えることに注力する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Meteor observation with the DIMS project: sensor calibration and first results2021
Author(s)
Barghini, D. ; Valenti, S. ; Abe, S. ; Arahori, M. ; Bertaina, M. E. ; Casolino, M. ; Cellino, A. ; Covault, C. ; Ebisuzaki, T. ; Endo, M. ; Fujioka, M. ; Fujiwara, Y. ; Gardiol, D. ; Hajdukova, M. ; Hasegawa, M. et al.
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Journal Title
WGN, Journal of the International Meteor Organization
Volume: 49
Pages: 173-180
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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