2019 Fiscal Year Annual Research Report
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19H01917
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石徹白 晃治 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 准教授 (20634504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一樹 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (20587464)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 超伝導素子 / 単電子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はフッ化物結晶による軽い暗黒物質探索を目指したものである。特に、暗黒物質とスピン相互に依存する相互作用を介して、探索されたことのない軽い暗黒物質探索を目指している。 本年度は、フッ化物結晶にKinetic Inductance Detector (KID)と呼ばれる超伝導素子を取り付けた。さらに、既存のソープション冷凍機から10mKまで冷却可能な希釈冷凍機へテスト環境を移行した。希釈冷凍機での測定により、今まで不可能だった温度安定が可能になり、241AmによるX線の応答を定量的に評価できるようになった。また、応答性だけでなく、時定数から準粒子の寿命を評価して、シリコン基板にKIDを取り付けた時と比べて同じ程度であることを確認した。さらに、イベント検出用のソフトウェアトリガーや解析ツールの解析を進め、スムーズな試験ができる体制を確立した。 蛍光読み出し用のシリコン基板とKIDを合わせた光検出器やフッ化カルシウム結晶に取り付けたKIDの開発を加速させるために、理研と埼玉大学の協力のもとマスクレスの直描装置を使い効率的にKIDを作る方法を確立した。 そのほかに、キャリブレーション装置として光電効果を使った単電子発生装置の開発を進めている。まずは準備としてUV-LEDからのUV光の直接測定とUV導入のためのファイバーによる光子数劣化についての調査を行った。結果、単電子発生のための光源の準備は概ね完了した。また、UV光の標的として仕事関数の小さい物質の選定を行い、銅と六ホウ化ランタンに絞り、それらの準備を進めた。並行して、単電子の測定のためのMCPシステムの準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した通りに研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き当初の予定に従って研究を進める。ただし、コロナウイルス感染拡大による出張自粛により影響がどのようになるかが不確定である。状況を良く見極めて、最善の対策のもとに研究を進めていく。
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Research Products
(3 results)