2020 Fiscal Year Annual Research Report
Demonstration of 100 TeV gamma-ray observation in the southern hemisphere
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19H01922
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川田 和正 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10401291)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ガンマ線 / 宇宙線 / ミューオン / 空気シャワー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、南米ボリビア・チャカルタヤ山中腹 (標高 4,740m) の実験サイトに水チェレンコフ型のミューオン観測装置を完成させ、その建設の実現性・問題点を検証することである。現在、同地に空気シャワー観測装置の建設を進めている。本実験のプロトタイプであるALPAQUITA実験は、97台のシンチレーション検出器からなる約2万平米の空気シャワー観測装置と水チェレンコフ型ミューオン検出器から構成される。本年度は、実験サイトのインフラ整備を重点的に行った。実験サイトを取り囲むフェンス、サイト内に避雷針および、長距離無線アンテナを設置した。さらに、実験サイト中心にエレクトロニクスハットを建設し、ケーブルを敷設するための溝を各検出器からエレクトロニクスハットまで施工した。感染症蔓延の影響で現地への渡航が不可な状況であったが、ミューオン観測を構成する地下プール建設の計画については、オンライン会議および電子メールベースで議論を進めた。地下プールの建設計画のスケジュールの見積もり、設計、防水材や光電子増倍管、その他必要な資材の準備をボリビアと日本で分担した。また、検出器からの信号を処理するフロントエンド回路ボードを複数製作し、動作を確認した。ALPACA実験およびALPAQUITA実験のMCシミュレーションの開発を本格的に進めており、解析方法の最適化により角度分解能やエネルギー分解能を向上させた。これらの成果をオンラインで実施されている国内外の会議で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績概要でも述べたように、現在感染症蔓延の影響で現地ボリビアへの渡航が不可能な状況が長く続いた。ミューオン観測のための地下プールの設計や強度計算については、オンライン会議等で現地と打ち合わせを隔週で行い順調に進んでいる。日本側、およびボリビア側でできることを分担し、インフラ設備の整備、データ収集システムの整備などを進めている。空気シャワー観測装置は一部の設置が終わっているが、完成させるには現地への渡航が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
渡航の再開後、地上の空気シャワー観測装置を完成させ、計画されている地下水チェレンコフ型ミューオン検出器の設置のための準備を行う。また、地下ミューオン検出器に必要な地下水の探索を行い、水質の調査を行い取水可能な井戸の設置を目指す。さらに、必要なエレクトロニクスの動作を確認し、空気シャワー観測装置およびミューオン観測装置のデータ収集システムを完成させる。観測装置の性能を確認するためのMCシミュレーションについては、ガンマ線および宇宙線起源の擬似空気シャワー数の統計を上げ、さらに精度を高める。
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Research Products
(12 results)