2023 Fiscal Year Annual Research Report
山口干渉計を用いた誕生直後の大質量原始星候補の大規模探査
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19H01937
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
元木 業人 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (10722803)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電波天文学 / 電波干渉計 / 大質量原始星 / 原始星ジェット / 赤外線暗黒星雲 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)探査状況: 合計175個のIRDCに対してYIによる8 GHzでの探査観測を行った。このうち51天体が20 mJy以下の微弱電波源であり、若い大質量原始星からのジェットの候補であると考えられる。 (2) 放射機構調査: これらの天体について(A)スペクトル指数の測定, (B) 時変動モニター, (C) VLBI観測, の3つの方法で放射源が真に原始星ジェットであるかの調査を本格的に開始した。特に本年度は約半数の26天体について山口-茨城1基線VLBI観測を行い、すべて非検出という結果を得た。このことは対象とした51天体がすべて熱放射源であることを意味しており、想定よりも活動銀河核(AGN)の混入が少ないことがわかった。 (3) 母体IRDCの環境調査: 検出された微弱電波源のうち20天体について、茨城大学の高萩32m望遠鏡を用いたアンモニア(J, K) = (1,1), (2,2)輝線観測を実施した。IRDCの重力的安定性および化学年齢と星形成活動性の比較を行った。この結果、安定なIRDCほどNH3の存在比が高く、高密度ガスの形成後の時間が長いことが示唆された。一方、不安定なIRDCは星形成活動が活発であり、安定なIRDCは不活発であることから、初期の重力的安定度の差が星形成活動性の二峰性を生み出していることが示唆された。 (4) 成果発表: 以上の結果について国内研究会で大学院生による2件の発表を行った。また今後の発展計画に関する発表も1件行った。さらに山口大学において3/5から3/6にかけて、成果取りまとめを兼ねた大質量星形成ワークショップ2024を開催した。参加者は国立天文台、茨城大、東工大、京大、九州大などから合計20人 (うち学生9名)であった。今後は未完了の各種追観測を完成させて査読論文化を進める予定である。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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