2022 Fiscal Year Annual Research Report
新しいHα輝線天体検出方法による銀河面リッジX線放射を構成する点源天体の研究
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19H01939
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
永山 貴宏 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00533275)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 輝線星 / Hα / ナローバンド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は水素原子のHα輝線を放射する星(輝線星)を効率よく発見するための新しいカメラを製作し、そのカメラを用いて輝線星のサーベイ観測を行うことを目的としている。2023年度はこのカメラを完成させ、鹿児島大学1m望遠鏡に取りつけて性能評価を行った。 望遠鏡での評価に先立ち、実験室においてモノクロメータで単色化した光をカメラに照射して、想定通りに光が2つのCCDイメージセンサに分けられ、結像していることを確認した。 実験室での確認後、実際に望遠鏡に取りつけて、輝線バンド、連続線バンドそれぞれでシーイングリミットとなる結像性能が実現できていることを確認した。また、輝線バンド、連続線バンドでの限界等級(積分時間300秒、S/N=10)をそれぞれ、16.0等、15.6等を得た。この値は事前の想定よりやや悪い値であるが、研究を継続できるレベルであると判断した。 さらに、既知のHα輝線星であるカシオペア座VX星(VX Cas)を含むフィールドの観測を行い、Hα輝線を効率よく検出できるかについて確認した。VX Cas 以外のフィールド内の星の輝線バンドと連続線バンドの等級差を調べたところ、平均-0.09等、標準偏差0.12等となった。等級差が平均値より0.36等(=3×標準偏差)以上大きい星を輝線星候補と考えた場合、等価幅20オングストローム以上の星まで候補天体とすることができると結論付けた。また、VX Cas自身の平均値からのずれは0.17等であり、これは~1.5×標準偏差であり、基準を3×標準偏差とした場合には候補とならないが、1.5倍程度まで緩めれば候補に含まれる。 これらの結果をもとにより多数のフィールドや輝線星の観察を行い、本研究で開発した手法の確認を行っていく。また、候補として選出した星の分光観測を行い、輝線の有無を確認する。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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