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2019 Fiscal Year Annual Research Report

AGNの水メーザー観測によるハッブル定数の測定

Research Project

Project/Area Number 19H01940
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

中井 直正  関西学院大学, 理工学部, 教授 (80192665)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 瀬田 益道  関西学院大学, 理工学部, 教授 (80358994)
Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords活動的銀河中心核 / 水メーザー / 銀河の幾何距離 / ハッブル定数
Outline of Annual Research Achievements

(1)20GHz帯受信機の高度化を行った:①感度の向上を図った。これまでの雑音温度が30K程度の初段冷却HEMT増幅器(アンプ)を雑音温度10K以下の新たな高性能HEMT増幅器に交換し、感度を3倍に向上させた。②観測可能周波数の拡大を図った。これまでの19.5~25.2GHzの受信可能周波数を拡大させるために、断熱導波管、左右両円偏波分離用の偏波計(ポーラライザ)、増幅器等を新規開発し、周波数19.4~27.0GHzを受信可能とした。19.4GHzも観測可能となったことで、CS放送の電波を受信して電波ホログラフィを行うことができる。
(2)上記受信機の出力を周波数変換し2段目増幅を行う中間周波数部の各部品の性能評価を行った。
(3)観測すべき新たな水メーザーの観測対象候補となる活動中心核(AGN)を持つ銀河を調査した。雇用した研究員とともに文献調査を行い、最近光学観測で新たに発見された8000個以上の活動中心核を持つ銀河を収集し、そのうち開発した受信機で観測可能な距離にある銀河を1000個以上、選別した。
(4)観測システムが完成後に実際に銀河の水メーザーを観測したときの解析手法の習得を兼ねて、すでに我々が野辺山45m電波望遠鏡で発見し、米国の超長基線電波干渉計で超高空間分解能の観測を行っていた銀河NGC7738の水メーザーのデータを解析した。その結果、その中心に巨大ブラックホールを発見し、その質量を正確に求めることができた。また、我々が持つ銀河IC2560の水メーザーの観測データからその銀河の距離を求めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

20GHz帯受信機の開発のうち、感度(受信機雑音)に最も大きな影響を与える初段冷却HEMT増幅器(アンプ)として現在のものより雑音が約3分の1の低雑音のものに交換できたことは受信機を高感度化するにあたって大きな進展である。また他の部品も含めて観測可能な周波数範囲を当初予定よりも広くすることができたことは進展である。一方、開発および購入した部品を全部組み上げてひとつの受信機システムを完成するところまでは進まなかった。
研究実績の例として、活動中心核を持つ銀河NGC7738の水メーザーを解析して中心に巨大ブラックホールを発見できたことと銀河IC2560の距離を測定できたことはよかった。

Strategy for Future Research Activity

(1)開発および購入した部品を組み上げてクライオスタットに格納し冷却して20GHz帯受信機を完成させる。
(2)上記受信機の出力を周波数変換して次の電波分光計に渡す中間周波数部を製作する。
(3)スペクトルを得る電波分光計を整備する。
(4)観測候補銀河の文献調査を行い、重要候補銀河を約200個、それ以外の候補銀河を約800個程度を選ぶ。

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Published: 2021-01-27  

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