2021 Fiscal Year Annual Research Report
Measurement of the Hubble constant by observing water-vapor masers in AGN
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19H01940
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
中井 直正 関西学院大学, 理学部, 教授 (80192665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬田 益道 関西学院大学, 理学部, 教授 (80358994)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 活動的銀河中心核 / 水蒸気メーザー / 銀河の幾何距離 / ハッブル定数 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)20GHz帯受信機の極低温用増幅器2個を左右両円偏波それぞれに低雑音なものに交換した。これにより、受信機雑音は交換前が85K@22GHz、80K@24GHz(K=ケルビン)であったものが交換後は30-45K@22GHz、30-40K@24GHzとなり、感度が2倍以上と格段に向上した。アンテナのビーム伝送系と大気は変わらないので大気込みシステム雑音温度は交換前が約110K@22GHz、120K@24GHzだったものが交換後は約75K@22GHz、85K@24GHzとなり、感度が1.5倍向上した。観測時間は大気込みシステム雑音温度の2乗に比例するので、同じ雑音レベルを得るのに観測時間は半分以下となり大幅な向上となった。これで活動的銀河中心核の水蒸気メーザーの高感度観測が可能となった。 (2)高感度化した20GHz帯受信機を野辺山45m電波望遠鏡に搭載して活動的銀河中心核(AGN)の水蒸気メーザーのサーベイ観測を行うために観測対象となる活動的銀河の選定を行った。検出可能な強い水蒸気メーザーはそれが含まれるガスの視線方向のガス量が非常に大きいものに限るので、高密度ガスの量を表す硬X線スペクトルの吸収量が大きい銀河で且つハッブル定数を決定するのに適した赤方偏移の大きな約40銀河を選んだ。またその観測に必要な銀河のパラメータを集めた。 (3)米国のVLBA(超長基線電波アレイ)を用いて超高空間分解能観測を行った銀河NGC7738の水蒸気メーザーの観測データの解析をさらに進め、巨大質量ブラックホールの質量に加え、周囲の高密度ガス円盤の構造や運動および落下するガスの質量降着率などを求めて、論文の執筆を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で進捗に遅れが生じたものの、20GHz帯受信機はほぼ予定通りの低雑音(高感度)を達成し、活動的銀河中心核の水蒸気メーザーのサーベイ観測の準備が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
高感度化した20GHz帯受信機を搭載した野辺山45m電波望遠鏡を用いて活動的銀河中心核の水蒸気メーザーのサーベイ観測を行う。また外国ですでに超長基線電波干渉法(VLBI)を用いた水蒸気メーザーの超高空間分解能観測の既存データを解析することによって、活動的銀河中心核の構造、巨大ブラックホールの質量の計測、銀河距離の決定によるハッブル定数の導出を行う。
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