2021 Fiscal Year Annual Research Report
A statistical test of the missing satellite problem in the CDM model
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19H01942
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
田中 賢幸 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (50589207)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 観測的宇宙論 / 近傍銀河 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はすばる望遠鏡に搭載された超広視野カメラHyper Suprime-Cam (HSC)を用いて近傍銀河を観測し、銀河の周りの矮小銀河を正確に数えることで、現在広く支持されている宇宙論モデルを銀河スケールで統計的に検証しようという試みである。すばる望遠鏡で取得した画像に基づき、近傍銀河の周りにいる矮小銀河の統計的性質を明らかにすることに成功した。矮小銀河の検出アルゴリズムは本研究が大部分の時間を割いて開発してきた部分であるが、(1) 高速ソフトウェアによる大雑把な候補選び、(2) 別のソフトウェアを用いたより丁寧な候補選択、(3) 面輝度ゆらぎを用いた距離測定によるさらなるスクリーニング、(4) 目視による最終的な背景銀河の混入除去と候補の信頼度評価、という手続きを経ることで信頼できる矮小銀河カタログを構築した。これをもとに、(a)矮小銀河の光度関数や、光度サイズ関係などは天の川銀河の矮小銀河と比べ、統計的に明らかな違いはない、(b) しかし矮小銀河の空間分布は明らかに異なり、近傍銀河の矮小銀河は比較的広く分布しているが、天の川の矮小銀河は非常に天の川に近いところに偏って分布していることがわかった。近年の数値シミュレーションとの結果と比べても、近傍銀河の矮小銀河分布は整合的であるが、天の川銀河は明らかに中心集中が見られる。これは天の川銀河が典型的な銀河ではないことを示しており、この特異な空間分布の起源を今後さらに探っていく必要がある。Missing satellite 問題のある側面を更に深くする問題と言えるかもしれない。以上の結果に基づく研究発表も複数回行い、2022年4月に論文も投稿済みである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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