2021 Fiscal Year Annual Research Report
月惑星探査のための岩石組織に対応した可視近赤外分光データ解析モデルの構築
Project/Area Number |
19H01953
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐伯 和人 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (50292363)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 近赤外分光 / リモートセンシング / 月探査 / 水資源探査 / SLIM / LUPEX |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度打ち上げ予定の月着陸実証機SLIMではマントル由来と思われる岩石の鉄含有量を可視近赤外分光によって推定する計画である。本研究で同種鉱物が密に集合した火成岩組織の鉱物粒界は分光観測時の有効な散乱面としては機能しないことがわかった。その場合、近赤外吸収特徴は飽和して見えないはずであるが、一方で天然の火成岩の中には分光学的な吸収特徴が観察されるものも多い。今年度は複数の含橄欖石試料について、岩石組織の特徴と吸収特徴の観察の難易度についての関係を整理した。 人工凍土については、微小氷粒を鉱物表面に着氷させる技術が確立し、氷の量や着氷する鉱物種を変化させた実験データを蓄積した結果、乾燥状態のレゴリスの反射スペクトルとレゴリス粒径から、着氷した際の氷吸収量から氷の量を導出する変換係数を推定する新たな手法を提案した。また、月面のような真空中で実験室と同じような粒状の形態の氷が着氷するのかどうかを調べるために数パスカルから数百パスカル程度のほぼ真空の水蒸気全圧下で着氷実験を可能とする装置を完成させた。2024年度以降に予定されている月極域探査LUPEX計画を視野にいれ、月高地レゴリス模擬物質への着氷実験も行い、これまで実験した200パスカル程度の水蒸気全圧では、大気中と同様に氷は粒状に着氷していることが確認された。さらに月の永久影でレゴリス中に水分子がコールドトラップされる際に数cmは地下に潜り込める可能性があることを示唆するデータも得た。 以上の成果をSLIM計画におけるマントル物質観測技術や、LUPEX計画における氷検出技術にフィードバックするとともに、火成岩や凍土の反射スペクトルデータ解析に適した可視近赤外分光データの解析法を提案する学会発表を行った。さらに複数の論文を国際学術誌に論文投稿中、論文投稿準備中である。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Advanced Lunar Imaging Spectrometer (ALIS) for Lunar Polar Exploration (LUPEX) project2023
Author(s)
Kazuto Saiki, Yusuke Nakauchi, Noboru Ebizuka, Takayuki Okamoto, Yoshiko Ogawa, Masahiro Kayama, Kohei Kitazato, Minoru Sasaki, Hirohide Demura, Hiroshi Nagaoka, Teruyuki Hirano, Takashi Mikouchi, Yutaka Yamagata, Yoshiaki Ishihara, Ryusuke Nishitani, Hiroyasu Mizuno, and Dai Asoh
Organizer
Asia Oceania Geosciences Society 2023 50th Annual Meeting
Int'l Joint Research
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