2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation and prediction of spatiotemporal variations of PM2.5 due to wildfires over the Far Eastern region, and the assessment of PM2.5 impact on human activities
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19H01976
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安成 哲平 北海道大学, 北極域研究センター, 准教授 (70506782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松見 豊 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 名誉教授 (30209605)
内藤 大輔 京都大学, 農学研究科, 助教 (30616016)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 森林火災 / PM2.5 / 大気汚染 / ロシア / シベリア / 極東 / 地域研究 / 北極 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスによる世界的なパンデミックにより、昨年度予定していたロシアでの現地観測・現地調査が延期になっており、コロナの状況を見て、これらの現地での研究を進める予定で準備を進めた(機器輸送準備など)。現地調査においては、コロナ禍の継続により渡航ができず、オンラインによる研究打ち合わせ、情報交換を継続し、ハバロフスクでの森林火災研究に関する出版にむけた英文校閲を実施した。しかしながら、コロナの状況悪化でさらなる遅延が見込まれる状況となったことに加えて、突如2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻により、コロナの状況の如何に関わらず、ロシアへの輸送がストップし、ロシアでの現地観測・現地調査が不可能な状況となった。
そこで、データ解析などで可能な研究を引き続き進めつつ、現地観測はシベリアの森林火災の代わりに北極圏森林火災(カナダに注目)のPM2.5影響評価を行えるであろう、かつ人々が居住する場所としてグリーンランド・カナックでPM2.5観測を2022年夏季に行った。グリーンランド現地観測の際に、飛行機のキャンセルが複数回相次ぎ、研究代表者の安成はカナックまで行くことはできなかったが、現地で一緒になった日本人大学院生の協力を得て、数週間のPM2.5の観測を行うことに成功した。初期的解析の結果、森林火災の影響以上に観測期間中に現地の屋外ゴミ焼却による大気汚染問題があることがわかった。粒子状物質PM2.5とCO、NO2、オゾンのガス状物質のセンサを組み合わせた小型でローコストな複合大気計測装置を開発を引き続き行い、札幌などの国内で実際の大気を長期に計測して、環境省大気汚染物質広域監視システム「そらまめ」などのデータと比較することにより、その精度の検証を行った。PM2.5測定装置は、シベリア森林火災の越境大気汚染を評価できるように、北陸以北(長岡、弘前、函館)に設置し、定常観測を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
継続している新型コロナウィルスの世界的パンデミックでのロシアでの現地観測と調査が延期になっている中で、ロシアによるウクライナ侵攻が起こり、ロシア現地での研究が不可能な状況となった。その結果、ロシア以外で観測機器設置の場所を急遽再考する必要が出てきた。ただし、データ解析やモデリングなどで引き続きシベリア極東域の森林火災の研究は続けられるため、現地観測・調査以外の手法で進められる研究は進められている状況であった。このようなコロナ蔓延状況やウクライナ侵攻の問題があったにもかかわらず、寒冷地用の小型計測器(PM2.5測定装置)の開発に成功しており、さらには急遽観測場所を変更したグリーンランド・カナックでのPM2.5測定を行い、北極圏の寒冷地での粒子状物質の計測の実証に成功し、論文化につながる現地カナックの大気汚染の新たな重要な知見まで得ることができた。機器開発においては、実際の大気を開発した大気計測器で測定して、大型の装置の計測結果と比較した。その結果、かなり精度よく大気質をこのPM2.5測定装置で測定できることを明らかにした。現地調査においては、ロシア現地へ渡航困難となったものの、これまで得た情報をもとに論文執筆作業を続けた。また、ロシアには行けなくなったが、シベリア森林火災の越境大気汚染の影響を評価できるように、その影響をより受けると考えられる日本の北陸以北(長岡、弘前、函館)に開発した寒冷地仕様のPM2.5測定装置を設置展開し、定常観測を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシアでの現地観測・調査が完全に不可能な状況となったため、PM2.5の現地観測は、カナダの森林火災の影響が評価できる場所を代替場所として、グリーンランド・カナックに変更を行った。その現地ローカルでの、屋外ゴミ焼却による新たな大気汚染問題があることがわかったため、カナダからの森林火災影響と現地ローカルの大気汚染の変動解明を行うことにした。これは、人間圏への影響評価という当初の課題目標とも合致する。また、カナックで得られた初期的観測結果の論文化を目指す。次年度(当初最終年度の繰越年度)、再度カナックでより詳細な大気汚染測定を行う。また、シベリア森林火災の予測やPM2.5の予測のための機械学習予測手法の開発も行う。既に解析を行った気候モデルの結果を論文として投稿するなどして、研究を進める。機器開発と計測に関しては、開発したPM2.5測定装置を、これまで大型装置の設置不可能な場所も含めて日本の北陸以北でさらに設置展開し、より広域の森林火災などの越境大気汚染による大気質影響の議論が行えるようにする。また、ハバロフスクでの森林火災研究に関する研究の出版に向けて作業を進める。
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Remarks |
(1) Atmospheric link between Northern wildfires and heatwaves (2) 極寒の地域でも使用可能なPM2.5測定用の自動温度制御断熱ボックスを開発~アラスカなどの北極圏から南極まで今後の測器展開と寒冷地PM2.5定常観測の発展に期待~(北極域研究センター 准教授 安成哲平) (3)(2)と同内容の名古屋大学からの共同プレスリリース
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Research Products
(9 results)