2022 Fiscal Year Annual Research Report
最先端の地上大気観測とデータ同化で、線状降水帯の予測精度はどこまで向上するのか?
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19H01983
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
吉田 智 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 主任研究官 (00571564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 哲 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 室長 (00377988)
柴田 泰邦 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (10305419)
瀬古 弘 気象庁気象研究所, 気象観測研究部, 部長 (60354445)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 線状降水帯 / ライダ / 大雨予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に引き続き、ライダーを用いた連続同期観測を実施した。さらに観測結果を用いたデータ同化により、線状降水帯に伴う降水量の予測精度を向上できるかについて検討を行った。 水蒸気ライダーおよびドップラーライダーを用いた水蒸気及び風の観測を、2022年の6月から9月までの出水期に長崎県長崎市および鹿児島県薩摩川内市で実施した。2022年7月15日に鹿児島県から宮崎県で発生した線状降水帯事例に関連した下層水蒸気及び風向風速をとらえることに成功した。2022年6月15日から1か月間の長期のデータ同化実験を行い、その結果と長崎県(福江島、野母崎)と鹿児島県(下甑島)のゾンデ観測との比較を行った。この比較により、水蒸気ライダーのデータ同化により大気下層(700hPa以下)で水蒸気場が改善されることを確認した。 また過去のデータの解析・データ同化実験を進めた。2021年7月10日に鹿児島県北西部で発生した線状降水帯事例において、水蒸気ライダーデータを同化することにより、線状降水帯の予測最大雨量が約20%改善することが分かった。さらに長崎と鹿児島の水蒸気プロファイルを詳細に比較することにより、線状降水帯を引き起こしている大気下層の湿潤な層は、地表から高度1.6kmまでの限られた領域であることが分かった。 一方で、次世代型水蒸気ライダーとして注目している水蒸気DIALの開発も行った。送信系、受信系のそれぞれで調整を進め2023年度中に観測が開始できる見込みとなった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)