2021 Fiscal Year Annual Research Report
中国ロシア日本を統合するGNSS観測ネットワークで見る東アジア変動帯の全容
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19H01984
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
田部井 隆雄 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (40207220)
中尾 茂 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (90237214)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | GNSS統合解析 / 広域地殻変動 / 東アジア / プレート運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も新型コロナウイルス感染拡大のため対面方式での研究打ち合わせが困難であったためオンライン形式で情報交換を実施して研究を行った。中国側及びロシア側共同研究者から解析ソフトウエアのパラメータ情報を取得するとともに、国土地理院が新たに開始したF5解析戦略の検討も実施した。解析は、中国国内の2000点を超える観測点のデータ解析を行っている中国側のパラメータで実施することとした。中国側からは、BerneseソフトウエアのプロセスであるPCFファイル及び利用するグローバル座標系の情報提供を受けた。また、解析速度の向上のため、北海道大学情報基盤センターのスーパーコンピューターを利用することとし、解析環境のセットアップを行った。解析では、中国側が利用しているグローバルなIGS観測点を共通観測点として、座標時系列の共通化を図ることで結果の妥当性検証を行えるようにしたほか、日本国内のGEONET観測点を入れることで、中国側の座標時系列との連結を図ることとし、中国側からは共通観測点の座標時系列データの提供を受けた。また、ロシアの観測点データとも、共通観測点を設けることで、適当な座標変換により統一座標系での速度ベクトルが導出出来る見込みであったが、紛争が開始されたため研究打ち合わせ及びデータの入手が困難となった。国土地理院のF5解析戦略による座標データについても、大陸側にある共通観測点の座標時系列を比較することにより、座標変換により統一座標系での速度ベクトル表示が行える可能性も示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面方式の打ち合わせが実施できず、中国及びロシア側の共同研究者との解析結果や解析戦略の仔細な検討が困難であったため、当初計画よりは進捗が遅れていたが、解析戦略の骨格が固まり実際の解析が進んできており、遅れを取り戻しつつある状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染拡大状況を注視し、可能な場合には中国側共同研究者との対面の研究打ち合わせを実施したい。解析結果から得られる統一座標系による座標時系列から、時間変化の特徴、特に2011年東北地方太平洋沖地震前の日本列島の変動場における日本海溝のプレート間固着の影響と大陸側プレートの影響の分離を試みたい。また、東アジア地域のマイクロプレート運動パラメータや、太平洋プレートを基準とした場合の日本列島の変形様式についても検討を進める。一方、紛争の開始に伴いロシア側との対面・オンラインでも研究打ち合わせは相当困難であるため、ロシア極東部のデータについては入手できない前提で研究を進める。
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