2022 Fiscal Year Annual Research Report
下部マントルにおけるマグマの密度と地球深部分化過程の解明
Project/Area Number |
19H01985
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 昭夫 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20281975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マグマ / マントル / ケイ酸塩メルト / 揮発性元素 / 水 / 高圧力 / 放射光 / 密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,地球内部の高温高圧力環境にあるマグマの構造と物性に関するものである.地殻から上部マントル上部で発生するケイ酸塩メルト(マグマ)は地表に向かって移動して噴出(噴火)するが,地球深部で発生するマグマは周囲との密度差などが原因で地球深部に滞留するものもあることが知られている.しかしながら,メルトには微量元素が濃集する傾向があるため,地表に噴出しなくとも地球内部の分化に多大な影響を与えるため,ケイ酸塩メルト(マグマ)の挙動および挙動を左右する物性を知ることは極めて重要である. マグマはSiO2を主成分とするケイ酸塩メルトであるが,SiO4ネットワーク発達の度合いが物性に大きく影響している.一方,ナトリウムは揮発性元素として知られている一方,SiO4の網目を切る網目修飾イオンの代表であり,メルト物性の研究で重要視されている.我々はナトリウムケイ酸塩メルトについて放射光を用いたX線影像落球法による高温高圧その場観察粘度測定を従来よりも広い温度・圧力範囲でおこない,従来試料急冷法で報告されていた粘度よりも1桁程度低い組成範囲があることを明らかにした.これにより,ナトリウムがケイ酸塩メルトの物性に従来考えられていたよりも大きく影響することが示された.また,ナトリウムケイ酸塩メルトに水を含ませたメルトのP-V-T状態方程式と構造変化に関する研究をおこない,従来よりも高温高圧力下で水によるメルトの構造変化を決定することに成功するとともに,マグマ中の水素が構造と物性に与える影響を評価した.また,マグマ中での水の部分モル体積についても従来よりも広い温度・圧力範囲で決定することができ,地球深部の様々なP-T条件で含水マグマの密度を計算できるようになった.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Phase boundary of FeOOH at high pressure and temperature2022
Author(s)
Ikeda, O., Sakamaki, T., Ohashi, T., Ito, Y., and Suzuki, A.,
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Journal Title
Photon Factory Activity Report
Volume: 39
Pages: 10
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[Journal Article] In-situ X-ray diffraction study of phase transitions in ScOOH2022
Author(s)
Ito, Y., Ikeda, O., Ban, R., Kubota, T., Sakamaki, T., Kuribayashi, T., and Suzuki, A.,
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Journal Title
Photon Factory Activity Report
Volume: 39
Pages: 14
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[Journal Article] Evaluation of Another Disposal Type of 6-6 Frame for High-Pressure Experiments2022
Author(s)
Fuchizaki, K., Naruta, H., Nakamura, K., Wada, T., Tanaka, M., and Suzuki, A.,
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Journal Title
Photon Factory Activity Report
Volume: 39
Pages: 76
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[Presentation] Structure of hydrous sodium silicate melts at high pressures and high temperatures by in-situ neutron and X-ray diffraction experiments2022
Author(s)
Ohashi, T., Sakamaki, T., Funakoshi, K., Hattori, T., and Suzuki, A.,
Organizer
JpGU Meeting 2022
Int'l Joint Research
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