2021 Fiscal Year Annual Research Report
新しく開発した超高圧変形装置を用いたD''層のレオロジーに関する実験的研究
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19H02003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
東 真太郎 東京工業大学, 理学院, 助教 (60771293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 龍一 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (40734570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 下部マントル / 変形実験 / 結晶方位選択配向 / レオロジー / 回転式ダイヤモンドアンビルセル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、D''層における変形特性とそれを基に観測される地震波異方性について考察を行うことを目的とし、独自に開発した回転式ダイヤモンドアンビルセル(DAC)を用いて、超高圧大歪変形実験を行った。D''層は主にポストペロブスカイト((Mg,Fe)SiO3)とフェロペリクレース((Mg,Fe)O)によって構成されている。フェロペリクレース単相で高圧変形実験(45-120 GPa、300-520 K、γ=128-275 %)を行い、結晶方位選択配向の観察を行った。結果として、室温、45-63 GPaでは、支配的なすべり系は{110}<1-10>であった。それに対し、500 K以上、65-120 GPaの条件では{100}<011>のすべり系が支配的となることがわかった。主に圧力の増加に伴う支配的なすべり系の変化は、いくつかの先行研究でも指摘されていた通りであるが(e.g., Girard et al., 2012; Immoor et al, 2018)、コンセンサスの得られた境界条件を決定するのは困難なのが現状である。しかし、これまでの先行研究は本研究とは異なり一軸圧縮実験が多く行われており、結晶選択配向が十分に発達していない可能性が考えられる。本実験の結晶選択配向の結果と弾性定数を基に、地震波異方性の計算を行った。その結果、D''層における地震波速度において観測されているS波の偏向異方性(Vsh>Vsv)と、実験の剪断面に対するS波の偏向異方性が一致することがわかった。D''層で観測されている地震波異方性はフェロペリクレースが大きく剪断変形することが原因である可能性がある。一方、D''層のもう1つの構成鉱物であるポストペロブスカイトについては、回転式DACの中で合成することに成功するにとどまり、定量的な変形実験の結果を得るまでには至っておらず、実験を継続したいと考えている。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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